斎藤應志(おうし)さんが描いた新潟の絵を見ていると、なんだか少しそわそわしてくる。時報塔のあるまち並み、浸食され欠けていく砂浜、堀と桜と小林デパート。知識としては知っている。だけど実際に目にしたことはない、もうどこにもない新潟の風景。

 1903年、中条町(現胎内市)に生まれた斎藤應志さんは、戦前に「新潟県展(旧県展)」の企画運営に加わり、戦後は美術教師をしながら絵を描き続け、個展も数多く開催され…

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