大渓一孝医師
大渓一孝医師

 階段から落ちて右膝の皿が横方向に割れました。手術をして5カ月が過ぎましたが、骨がくっつきません。主治医には膝の皿を取った方がいいと言われました。骨がくっついても痛みがある場合は、取った方がいいのでしょうか。(長岡市・70歳女性)

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 お皿の骨は膝蓋骨(しつがいこつ)といい、太ももとすねの筋肉が付着しており、主に膝の曲げ伸ばしの機能を担っています。交通事故や転倒・転落などで膝に力が加わることによって、一つの塊だった膝蓋骨が完全もしくは部分的に骨折します。

 外科的治療は、骨が大きく分断されているときや、開放骨折などの際に選択します。膝蓋骨骨折では、複数の骨に分断されることが多いため、手術により針金・ねじなどで骨同士を固定した状態で治癒を待ちます。今回、横骨折であったのならば前述の手術をしたと考えます。一般的に骨がくっつくには、6週間から10週間程度かかるとされていますが、中には時間を要する場合もあります。

 骨がくっついた後にも痛みがある際は、変形性関節症による疼痛(とうつう)と手術の際に利用した金具自体の刺激によるものが考えられます。膝蓋骨の周囲は皮下組織が薄く、固定した針金が膝の曲げ伸ばしで筋肉を刺激することがあり、術後半年程度から入れた金具を抜去する手術を行うこともあります。膝蓋骨の骨自体を取ることは一般的ではありません。

 また、損傷を受けた側の足の筋力が低下すると機能回復が芳しくないため、疼痛の原因や可動域の制限につながることがあり、治療後のリハビリが重要となります。もう一度、主治医に疑問点をお話しし、治療方針に関して相談してみてください。

(新潟医療センター・整形外科)