建て替えが決まった第5マルカビルが位置するJR新潟駅前エリア=18日、新潟市中央区東大通1
建て替えが決まった第5マルカビルが位置するJR新潟駅前エリア=18日、新潟市中央区東大通1
老朽化したビルの建て替えが進む東大通り沿い。第5マルカビル(中央手前)が再開発に弾みをつけるかが注目される=18日、新潟市中央区(本社ヘリから)

 JR新潟駅前に立地する商業ビル「第5マルカビル」(新潟市中央区東大通1)が、老朽化のため建て替えられることが18日、関係者への取材で分かった。解体は2023年以降の見込み。同じ区画のビル3棟も含め、地上20階規模の再開発ビルを建設する構想があるほか、万代地区側に隣接する区画を合わせた再開発構想も浮上している=地図参照=。

 登記簿などによると、第5マルカビルの土地と建物は11年に三幸製菓グループ(同市北区)が取得。今年3月発表の公示地価によると、同ビルのある東大通り西側の商業地は新潟県内最高値だった。

 同ビルは1974年に建築され、「ブラザービル」として親しまれた。地上10階、地下2階建てで飲食店などが入り、新潟駅万代口から見える巨大な広告看板が目を引く。

 関係者によると、テナントの退去はすでに決まっており、早ければ2023年にも解体工事が始まる。

 同ビルなど四つのビルが並ぶ駅前の区画では、3年ほど前から、合同での再開発を視野に地権者間で勉強会が開かれていた。準備組合設立などの具体的な動きはまだないが、地上20階規模で地下フロアも持つ複合ビル案などを視野に、地権者間で協議を進めているとみられる。

 このエリアから万代地区に向かう北側に隣接し、北陸ガス本社が入る北陸ビルや第四北越銀行新潟東大通支店が入る北越第一ビルディングなどがある区域にも再開発の範囲を広げ、高架でつなげるアイデアも出ている。

 ビルの建て替えや再開発構想について、三幸製菓グループは新潟日報社の取材に対し、「テナント退去や取り壊しは決まっているが、その他については何も決まっていない」とコメントした。

 現在、新潟駅では大規模な整備事業が進み、駅の高架化や、万代側の駅前広場(万代広場)の拡張工事が本格化している。新潟駅前エリアではマルタケビル(東大通1)が建て替えを完了。近隣ではオフィスビルや、マンションとホテルの複合施設の建設が進められている。

◆万代口開発 加速なるか

 「新潟の玄関口」であるJR新潟駅周辺で新たな開発の動きが明らかになった。三幸製菓グループ(新潟市北区)が、駅前一等地の「第5マルカビル」の建て替えを計画。周辺区域の再開発を加速させる呼び水になるかが注目される。

 新潟駅前では近年、東大通りの東側を中心に老朽化したビルの建て替えが相次いでいる。2018年1月に日生不動産(同市中央区)がオフィスビルを開業。20年4月には、医薬品総合商社マルタケ(同市西区)の「マルタケビル」が、第5マルカビルの向かいにオープンした。

 マルタケビル隣のCOI新潟ビル(旧三井物産ビル)跡地には、日生不動産の9階建てオフィスビルが来年9月にも完成する見込みだ。同じ並びの新潟帝石ビルディングも、INPEX(東京)が25年ごろの完成をめどに、新たなオフィスビルを建設する方針を明らかにしている。他にもビル単位での建て替え計画が進むものの、一体的な再開発には結びついていないのが現状だ。

 一方、第5マルカビルがある東大通りの西側では、これまで新たな投資の動きが表面化してこなかった。「ブラザービル」として知られる同ビルは1974年に開業。三越グループが保有した後、2011年に三幸製菓グループが取得した。長年、新潟駅前の「顔」の一つとされてきたが、老朽化や駅再開発に伴って同グループが建て替えを決定した。

 新たなビルの構想について、同グループ社長CEOの佐藤元保氏は「まだ何も固まっていない」としながらも、「県都の玄関口にふさわしい、ランドマークになるようなビルを造りたい」と語る。

 同ビルのある区画では、第5マルカビルを含む四つのビルの用地を合わせた一体的な再開発も視野に入れた勉強会も開かれている。

 さらに、万代地区に向かう北側の隣接区画との一体開発のアイデアも浮上している。ただ、実現するかどうかは不透明だ。同区画で最大の「北陸ビル」には、北陸ガス(新潟市中央区)本社が入る。管理する北陸不動産(同)は「当ビルには建て替えの計画はない」としている。

 3月公表の公示地価(1月1日時点)によると、第5マルカビルのある東大通りの地点は、34年連続で新潟県内商業地の最高値を記録している。しかし、新型コロナウイルスの影響を受ける前から、万代地区などと比べ、上昇率が鈍いと指摘されていた。

 ある専門家は「ビル1棟単位の建て替えが多く、駅の建て替えと連動するような大規模開発も見られない。大きなにぎわいの創出に至っていない」と指摘。「近年は新潟駅南口の方が投資に勢いがある」とみる専門家もいる。

 東大通り東側のある地権者は「通りの反対側で開発が進めば、新潟駅万代口のオフィス街としての魅力を高めることができる」と、相乗効果に期待を寄せている。