世界中に怪異を巡る言い伝えが残るが、目に見えない、科学的根拠のないそうした現象は存在せず、単なる作り話だと切り捨てられるのが現代という時代。しかしながら、ホラーは一大ジャンルとして人気で、占い好きも依然として多い。いつの世も、理性では割り切れないような「何か」に、怪しいとは思いつつも、私たちは引きつけられる。

 本書の主人公は、離婚をきっかけに長年勤めた東京の大手新聞社を辞め、学生時代に暮らしていた仙台に中学生の娘と引っ越してきたタウン誌記者の桑見里帆。ある日、古書フェアを訪れた桑見は、1本の大きな角を持つ全長30センチほどの木彫りの像に魅せられる。「おしら鬼」と呼ばれるその木像を家に持ち帰った...

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