
(絵:100%ORANGE)
京都ではじめての引っ越しをしようとしている。鴨川そばの便利な町なかから、北の郊外に立つ神社の横の、静謐(せいひつ)な住宅へ。
引っ越し屋さんがもっとも嫌う積み荷は、本とレコードらしい。ぼくは屋内に、この2種のものしかほぼもっていない。
大阪の万代池そばで生まれ、学生時代は白川疏水の脇で暮らし、東京は隅田川、三崎では太平洋、信州の松本、鴨川のほとりと、これまで住んだ場所はすべて水場の近くだった。松本は山、という意見もあるだろうが、標高750メートルは雲のなか、ときおり濃厚かつ白い水蒸気につつまれる。空の水だ。
別の見方をすれば、ひとの集まる観光地にばかり住んでいる。インタビューで、好きな場所に住めて...
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