サケの加工品などの県産品に人気が集まる新潟伊勢丹のお中元ギフトセンター=新潟市中央区
サケの加工品などの県産品に人気が集まる新潟伊勢丹のお中元ギフトセンター=新潟市中央区

 新潟県内の百貨店や総合スーパーで、お中元商戦がピークを迎えている。新型コロナウイルス禍で迎える2年目の夏。感染拡大による巣ごもり需要の高まりを反映した昨年に続き、各社は帰省を控える家族や知人向けに県産農産物や郷土菓子などのラインアップを強化。旅行を控える傾向が続いていることを受けて、全国各地の特産品にも人気が集まる。オンラインによる注文も広がっており、早期割引やポイント付与などで顧客の開拓を進める動きも出てきた。(報道部・田中渓太)

 県内唯一の百貨店、新潟伊勢丹(新潟市中央区)は8月9日まで特設のギフトセンターを設けている。事前に電話やオンラインで注文してから店舗で品物を受け取る顧客が増え、受け取りカウンターでは席の間隔を開けるなど、昨年に引き続いて感染対策を徹底している。

 取りそろえた約3千点の中では、黒埼茶豆やサケの加工品、桃などの農産物といった県産品が売れ行きを伸ばしている。担当者は「県境を越えた移動が難しい中、地元のものを県外の家族や友人に贈るニーズが高まっているのではないか」と話す。7月上旬がピークとみているが「密を避けるためか平日の来店が増えている」と、例年に比べ顧客が分散傾向にあると分析している。

 同社は、県内8カ所のサテライトショップでもお中元を販売。県内でも都市部への外出を控える動きがある中、新潟市西区や長岡市、上越市の店舗で売り上げが前年同期比20%以上も増えるなど好調という。担当者は「お中元全体の売り上げは前年並みだが、サテライトやウェブなどで注文するお客さまの比率は増えている」としている。

 総合スーパーなど県内で27店舗を展開するイオンリテール北陸信越カンパニー(同市中央区)は、冷凍食品や朝食セットなど「おうち時間」に焦点を当てた商品ラインアップを充実させた。旅行の自粛ムードを踏まえ、北海道の菓子「白い恋人」や九州産の黒毛和牛など、全国各地の銘菓や特産品などが人気だ。

 オンライン限定商品は昨年の4倍の約60品目に拡大。12日までは価格を10%割り引き、通常より多くポイントを付与するなど特典も充実させた。

 ウイルス禍の影響で昨年のオンラインの売り上げは前年比で2桁増と大きく伸びたが、担当者は「今年はさらに昨年を少し上回っている」と明かす。

 インターネット通販サイトの利用も定番化しつつある。「クーネルワーク」(同市西区)が運営する県内最大級の産直サイト「新潟直送計画」では、6月の売り上げが前年同期比5%増だった。

 昨年は県のキャンペーンで県産農産物や加工品などを2割引きで販売した。今年は同様の割引キャンペーンはないものの「特需のような驚異的な数字を維持している」と同社。

 売れ筋は枝豆など夏の県産農産物のほか、へぎそばや郷土菓子など県内ならではのギフト。今年は会員制交流サイト(SNS)でサイトをPRするアンバサダー役に約30人を任命したり、テレビCMを打ったりと広告に力を入れた。

 大きく目立ったのが、県外からの注文で、全体の8割以上を占めた。同社は、一昔前の「お中元」よりカジュアル傾向が進んでいると指摘。「県産品を県外に贈る人に加え、故郷を懐かしむ関東圏の人たちにも多く利用してもらっている」と、感染禍で本県出身者らの需要がさらに伸びているとみている。