気象庁の「キキクル」の画面
気象庁の「キキクル」の画面

 2004年の7・13水害では、濁流が押し寄せた自宅で高齢者が亡くなるなど適切なタイミングで避難するための情報発信が課題となった。この17年間で、居住地の気象状況や河川の水位をインターネットで即時に知ることができるようになりデジタル環境の整備が進んだ。半面、スマートフォンを持たない高齢者らへの伝達には新旧の手法を組み合わせた模索も続く。

 7・13水害で9人が犠牲になった新潟県三条市では12日、まとまった雨で一部の市道が冠水し一時通行止めになった。同市西本成寺1の主婦(69)は「大雨が降るとこの辺はよく冠水する。家まで水が入らなければいいが」と不安そうに話した。

 豪雨災害は全国的に相次いでおり、「命を守る最善の行動」を取るための情報収集の重要性がいっそう高まっている。

 気象庁は防災情報サイト「キキクル(危険度分布)」で雨による土砂災害、浸水害、洪水の危険度をリアルタイムで発信。5段階の危険度を1キロ四方の網目状に地図上で色分けし、住む地域の避難のタイミングを色で判断できる。情報は10分ごとに更新される。

 国土交通省のサイト「川の防災情報」では、河川の水位や河川カメラの画像を確認できる。県内には水位観測所が約20カ所、河川カメラが約200カ所あり、身近な河川の状況を把握できる。避難判断水位は赤色で、氾濫危険水位は紫色に表示される。

 一方、ネットでの情報取得が困難な高齢者への情報発信への取り組みも進む。

 長岡市や三条市では、避難情報が発令されると事前登録者の固定電話に一斉に電話が掛かり、避難を促す音声案内を流すサービスを行っている。

 国交省は「逃げなきゃコール」を勧める。祖父母と離れて暮らす子どもが実家のある地域を事前登録すると、実家に避難情報が出たときに子どものスマホに通知が行く。家族を通じて避難を呼び掛ける仕組みだ。

 高齢者らへの情報伝達について、新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授(56)は「今はさまざまな手段で情報を得られる。賢く活用して避難行動につなげてほしい」と強調。スマホがない人にはテレビのリモコン操作で警報や河川水位などを確認できるNHKのデータ放送の利用も勧めている。

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