災害時に避難や仮設住宅の建設場所になる防災拠点としてオープンした防災公園=15日、小千谷市薭生(本社小型無人機から撮影)
災害時に避難や仮設住宅の建設場所になる防災拠点としてオープンした防災公園=15日、小千谷市薭生(本社小型無人機から撮影)
テントを張って使うマンホールトイレ

 新潟県小千谷市薭生に災害時の避難場所や仮設住宅建設地となる防災公園が15日、オープンした。市内に甚大な被害をもたらし、多くの避難者が仮設住宅で暮らした2004年の中越地震の教訓から建設された。断水時にも利用できるマンホールトイレを備える。今後は備蓄施設の建設も予定され、防災拠点としてさらに機能を充実させる。

 公園の整備事業は11年度から始まり、土地取得費も含め約5億8千万円。敷地面積は3万5181平方メートル。公園の奥には仮設住宅の建設用地となる広場を設けた。広さは約5670平方メートルで、100戸ほどが建てられる。

 公園中央には芝生の広場があり、避難活動の拠点となるあずまや、座席の部分を外すと煮炊きができるかまどベンチを設置した。下水道に直結、またはくみ取り式のマンホールトイレ13個を設置。災害時にテントを張って使う。

 滑り台付きの山や遊具、1周500メートルのランニングコースがあり、平時は市民の憩いの場として利用できる。芝生広場はドクターヘリの離着陸場所になる。

 公園内には備蓄施設の建設場所も確保した。現在は桜町の総合体育館に保管する食料や段ボールベッド、衛生用品などを建設後に施設に置く。

 15日は地域住民らが参加して竣工式が行われた。大塚昇一市長は「ここは中越地震の際に仮設住宅が建てられ、被災者の生活の場になっていた。震災を伝える場所としても活用したい」と述べた。

 オープンに先立ち12日、小千谷ロータリークラブが60周年事業として、市に子ども用のテーブルベンチを寄贈した。防災公園に置かれる。


◆中越地震での体験反映

 小千谷市が防災公園を建設したのは、中越地震の発生後、仮設住宅を建てられる広い用地の早期確保に難航したことが背景にある。

 市によると、防災公園がある場所には当時、「元中子応急仮設住宅」が建てられていた。204戸を建設し、179世帯、770人が避難生活を送った。市内には17の仮設住宅の団地が造られ、2004年12月時点で660世帯、2266人が暮らした。元中子は市内で最大の仮設住宅団地だった。

 地震発生が10月23日で、雪が降る冬が目前に迫っていた。当時、市職員だった大塚市長は「雪が降る前に避難所からできるだけ早く家族単位の生活にすることが大切だった」とした上で、「市内の至る所が被害を受け、まとまった建物を建てられるエリアを探すのに苦労した」と振り返る。

 市は仮設住宅を建てるために、学校のグラウンドや公園などを確保。元中子は国有地を借り、12月3日から入居が始まった。

 防災公園ができることについて、近くの木津団地町内会長(65)は「広い場所があることは災害時の支援に相当の効率化が期待でき、安心感がある」と期待した。