新潟県内10信用組合の2021年3月期決算が出そろった。新型コロナウイルス禍の資金繰り支援で貸出金が増加したことなどから、6信組で本業のもうけを示すコア業務純益が増加した。一方、取引先の倒産や先行き懸念が影を落とし、貸倒引当金の増加などから4信組は最終減益となった。

 信用組合の取引先には小規模な事業者が多く、ウイルス禍による売り上げの急減などにより資金繰りの支援が必要になった。5信組で貸出金残高の伸びが前年期末比で10%を超えた。

 協栄信組(燕市)は、貸出金利息収入が前期比1300万円増加。有価証券の平均残高が増加したことで有価証券利息配当金も7800万円増え、コア業務純益が31%増加した。

 同信組は「新型ウイルス対策の融資などで預貸金とも過去に例を見ない伸びとなり、貸出金利息や有価証券利息配当金につながった。利益も前期を大きく上回ったが、一過性だ」と見る。

 ただ貸出金の利回りは各信組で低下し、経営環境は依然として厳しい。

 塩沢信組(南魚沼市)は、貸出金残高の伸び率が16%と県内で最も高かったが、貸出金利回りは0・21ポイント減の2・29%となり、貸出金利息収入は微減した。職員の増員による人件費の増加もあり、コア業務純益は16%減少した。

 塩沢信組は「事業者支援を実施し、貸し出しは大きく増加したが、新型ウイルス融資は平均利回りが1・7%程度のため、貸出金利回りが低下した」とする。

 ウイルス禍が長期化する中、取引先の倒産や引当金の予防的な積み増しで与信コストが増加した信組も少なくない。

 佐渡や寺泊などの観光地を抱える新潟大栄信組(燕市)は、取引先の業況悪化などから与信コストが6200万円増加した。糸魚川信組も取引先の倒産が響き、最終減益だった。新潟大栄信組は「ウイルス禍で地域経済への打撃は深刻だ。売り上げが戻らず、昨年より悪い取引先もある」と明かす。

 巻信組はコア業務純益は9割増となったが、与信費用が増加し、最終減益となった。巻信組(新潟市西蒲区)は「取引先のもしもの時に備えて引当金を多めに積んだ。取引先に給付金の情報を提供するなど支援に努める」とした。