過去の衆院選

衆院選2014

5分で分かる小選挙区の戦い

 第47回衆議院議員選挙(2014年12月14日投開票)では、県内6小選挙区に19人が立候補し、14日の即日開票の結果、1、2、4、5、6の5選挙区で自民党が議席を守った一方、民主党が3区で議席を奪取した。2012年の前回衆院選で全議席を独占していた「自民1強態勢」が崩れた。 各小選挙区の結果や候補の主張などを短くまとめ、紹介する。

【表の見方】
当=当選、比=比例で復活当選
◎=は当選者以外の法定得票数獲得者、☆=比例代表との重複者
自=自民、立=立憲民主、共=共産、諸=諸派、無=無所属
前=前職、元=元職、新=新人
( )内の数字は当選回数

新潟第1区
石崎、幅広い年代に浸透
西村、中央区で伸び悩む
92,656 石崎徹 ☆自前
84,573 西村智奈美 ☆民元
  20,037 町田明広  共新

石崎 徹(いしざき とおる)
30歳 自前(2)、党財金副部会長(内閣官房主査、財務省職員)新潟市、慶大

西村 智奈美(にしむら ちなみ)
47歳 民元(4)、元厚生労働副大臣(外務政務官、新潟県議)熊谷市、新潟大院

市町村別獲得票数

衆院選2014・1区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 2期目を狙った自民前職・石崎が幅広い年代から支持を集め、民主元職・西村との再戦を制した。
 石崎は県議や市議、後援会による組織戦を展開。自民と公明の支持層をいずれも9割押さえた。20~40代の高い支持を集め、無党派層の4割近くから支持を得た。
 西村は前回より差を約1万票縮め、比例復活で国政復帰を果たした。前回ほどの逆風はなく、民主支持層の9割を押さえた。重点的に回った中央区で伸び悩んだ。

新潟第2区
細田、組織戦で競り勝つ
鷲尾、燕では票差広げる
70,589 細田健一 ☆自前
70,487 鷲尾英一郎 ☆民前
  11,801 渡辺英明 ☆社新
  11,434 五位野和夫  共新

細田 健一(ほそだ けんいち)
50歳 自前(2)、党国際局次長(経産省課長補佐)東京都、米ハーバード大院

鷲尾 英一郎(わしお えいいちろう)
37歳 民前(4)、党政調副会長、公認会計士(農林水産政務官)東京都、東大

市町村別獲得票数

衆院選2014・2区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 再選を目指した自民前職の細田と4選を期した民主前職の鷲尾との再戦は、自民支持層を固め上げた細田が紙一重の102票差で競り勝った。
 細田は前回同様に県議や市議、党地域支部を主軸とした組織戦を展開した。重鎮県議の地元で票田の柏崎市や自民元職の地盤だった佐渡市で差をつけた。
 鷲尾は後援組織の底力を見せ、比例復活。今回は燕市で前回選よりもリードを広げる約4千票の差をつけたほか、新潟市西蒲区や弥彦村などでも勝利した。

新潟第3区
黒岩、自民支持層を崩す
斎藤、地元村上では善戦
82,619 黒岩宇洋 ☆民元
74,319 斎藤洋明 ☆自前
  11,214 伊藤誠  共新

黒岩 宇洋(くろいわ たかひろ)
48歳 民元(2)、元法務政務官(参院沖北特委員長、参(1))南魚沼市、東大中退

斎藤 洋明(さいとう ひろあき)
38歳 自前(2)、党国交副部会長(内閣府職員、公取委職員)村上市、神戸大院

市町村別獲得票数

衆院選2014・3区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 雪辱を期した民主元職・黒岩が大票田の新発田市で票を固め、8300票差で自民前職・斎藤を振り切り、県内民主候補で唯一、小選挙区議席を奪還した。
 黒岩は農業の活性化策を軸とし、アベノミクスの転換を強調。民主支持層の9割以上を固めたほか、自民支持層の1割以上に食い込んだ。無党派層は6割を取り込んだ。
 斎藤はアベノミクスの推進を主張し、自民支持層の8割を固めたが、無党派の支持が3割にとどまった。地元村上市は1700票差で逃げ切ったが、他地域で広がりを欠いた。

新潟第4区
金子、大票田の三条制す
菊田、無党派層取り込む
77,137 金子恵美 ☆自前
74,073 菊田真紀子 ☆民前
  13,957 西沢博  共新

金子 恵美(かねこ めぐみ)
36歳 自前(2)、党総務、女性局次長(新潟県議、市議)新潟市、早大

菊田 真紀子(きくた まきこ)
45歳 民前(5)、党幹事長代理(外務政務官、加茂市議)川崎市、新潟・加茂高

市町村別獲得票数

衆院選2014・4区の市町村別獲得票数

※新潟江南4区には新潟北区4区を含む

戦いの分析

 自民・金子と民主・菊田の女性前職同士の対決は、組織票をまとめた金子が菊田を辛くも振り切り、小選挙区の議席を守った。
 金子は地元県議や市議に加え、党幹部や閣僚が連日のように選挙区入り。企業や団体を引き締めて大票田・三条市を制したほか、地元の新潟市南区で大差をつけた。
 菊田は3千票差まで追い上げ、比例復活した。アベノミクス批判や戸別所得補償の復活を訴えて支持を広げ、無党派層では金子を上回った。民主支持層の9割を固めた。

新潟第5区
長島、保守票まとめ安定
森、浮動票つかみ切れず
81,176 長島忠美 ☆自前
47,420 森裕子 ☆生新
  12,993 服部耕一  共新

長島 忠美(ながしま ただよし)
63歳 自前(4)、復興副大臣(農林水産政務官、山古志村長)長岡市、東洋大

市町村別獲得票数

衆院選2014・5区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 4期目を目指した自民・長島が浮動票も取り込み、安定した戦いで元参院議員の生活新人・森らを引き離した。
 長島は県議、市議、旧市町村単位でつくった後援会を軸に、首長の応援も得て全域で優位に戦いを進めた。保守票を手堅くまとめ自民支持層の9割、公明支持層の8割を固めた。
 野党共闘で民主、社民、連合新潟の支援を受けた森は、民主支持層の7割をまとめたが、社民支持層は6割、維新支持層は4割にとどまった。浮動票でも長島に及ばなかった。

新潟第6区
高鳥、農家にも支持拡大
梅谷、終盤に追い上げる
83,638 高鳥修一 ☆自前
62,766 梅谷守 ☆民新
  12,315 高橋ミキ子  共新

高鳥 修一(たかとり しゅういち)
54歳 自前(3)、党厚生労働部会長(厚労政務官、衆院議員秘書)上越市、早大

市町村別獲得票数

衆院選2014・6区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 自民前職・高鳥は6区全域で民主新人・梅谷らを上回る票を獲得し、初の連勝で3度目の当選を決めた。
 高鳥は自民、公明支持層の9割を押さえ、無党派層も5割近く取り込んだ。「TPP(環太平洋連携協定)反対」を明確に掲げ、農家層への支持を広げた。
 梅谷は十日町、糸魚川市など、地盤の上越市以外の地域で浸透しなかった。組織づくりで出遅れたが、終盤は大票田の上越市に狙いを絞って追い上げた。

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