過去の衆院選

衆院選2014

戦いのあと

【2014/12/15】

 県内6小選挙区は激戦となった選挙区が多い。それぞれの戦いの跡をまとめた。(敬称略)

新潟第1区
石崎 序盤の勢い守る

 2期目を目指した自民前職・石崎徹(30)が、議席奪還を狙った民主元職・西村智奈美(47)を再び下した。

 石崎は県議や市議、後援会による選対を組み、自民支持層と、推薦を受ける公明党の支持層をまとめた。後援会の結成式や安倍晋三首相らの来援で序盤に勢いを付け、終盤まで失速しなかった。新潟市が選ばれた国家戦略特区の推進を訴え、街宣やつじ立ちによる地域回りを重視し、無党派層に食い込んだ。若さを前面に、若者を中心に幅広い層から支持を集めた。

 西村は連合新潟を中心にした戦いで、民主支持層を固めた。生活、社民の協力を得たほか、立正佼成会の支援を受けて支持を広げた。元厚労副大臣の実績をアピールし、得意としていた無党派層からも支持を得たが、及ばなかった。西村は比例で復活当選。

 共産新人・町田明広(49)は支持を広げられなかった。

衆院選2014・1区の市町村別獲得票数
新潟第2区
細田 追い上げかわす

 自民前職・細田健一(50)が民主前職・鷲尾英一郎(37)の猛追をかわし、逃げ切った。

 名古屋市出身の細田は知名度不足を補うため、県議・市議の後援会と党地域支部が前面に立った組織戦を展開。当初陣営の動きに鈍さが見られたが、首相や党幹部の度重なる来援で引き締まった。公共事業重視を訴え、建設業界もまとめた。

 鷲尾はほぼ全域に張り巡らせた後援会と連合新潟をフル回転させたものの、支持層を固めきれず一歩及ばなかった。自転車街宣を続け、3期9年の実績と若さをアピールしたが、無党派層に広がりきらなかった。拠点の燕市以外で伸び悩んだ。鷲尾は比例で復活当選した。

 社民新人・渡辺英明(64)、共産新人・五位野和夫(52)はいずれも柏崎刈羽原発の再稼働反対を前面に掲げたが、党支持層以外に支持が広がらなかった。

衆院選2014・2区の市町村別獲得票数
新潟第3区
黒岩 大票田でも地力

 民主元職・黒岩宇洋(48)が、自民前職・斎藤洋明(38)を突き放し、前回選挙の雪辱を果たした。黒岩は落選翌日からつじ立ちや小規模の集会を行い、支持を拡大。3区全域に張り巡らせた後援会を中心に、連合新潟などの支援を受けて選挙戦を展開。個人演説会や街宣では、3区地域の生活を支える農業の振興を徹底して主張し、自民支持層を切り崩した。大票田の新発田市でも地力を発揮した。

 斎藤は自民県議7人と約20の後援会組織をフル稼働させたが、組織を固めきれなかった。選挙期間中は街宣や個人演説会を重ね、アベノミクスの推進を強調。安倍晋三首相や麻生太郎財務相ら党幹部の来援を追い風に組織の引き締めを図ったが、広がりを欠いた。

 共産新人・伊藤誠(40)は共産支持層以外の支援が集まらなかった。

 斎藤は比例で復活当選。

衆院選2014・3区の市町村別獲得票数
新潟第4区
金子 再び激戦を制す

 自民前職・金子恵美(36)が民主前職・菊田真紀子(45)の追い上げをかわし、前回に続いて激戦を制した。

 金子は地元の県議、市議の支援を足掛かりに、党幹部や現職閣僚が連日のように選挙区入りする大掛かりな組織戦を展開。演説の大半を雇用面などでのアベノミクスの実績に割いて政策の継続を訴え、自民支持層を固め、多くの企業・団体の支援も取りつけた。全域でミニ集会や街宣活動を徹底したほか、握手会も開催。大票田の三条市などを押さえて逃げ切った。

 菊田は後援会を軸に連合新潟の支援も受け、アベノミクス批判を繰り広げたが、企業票の取り込みで後れを取った。4期11年の実績を強調するとともに、党の有力者を招いて街宣も重ねたが、及ばなかった。

 共産新人・西沢博(34)は雇用問題などを訴えたが、浸透しなかった。

 菊田は比例代表で復活した。

衆院選2014・4区の市町村別獲得票数

※新潟江南4区には新潟北区4区を含む

新潟第5区
長島 浮動票取り込む

 自民前職・長島忠美(63)が手堅く保守票をまとめ、浮動票も取り込んで元参院議員の生活新人・森裕子(58)を下し、4選を果たした。

 比例代表からくら替えして2回目の選挙となった長島は自民県連会長の星野伊佐夫県議を選対本部長に県議、市議と連携し街宣や個人演説会を重ね、自民、公明支持層をまとめた。旧市町村単位でつくった約20の後援会を含め分厚い布陣で優位に戦いを進め、森民夫長岡市長ら首長の応援も得て全域で票を積み上げた。

 民主や社民、連合新潟の支援を受けた森は野党共闘で非自民票の受け皿を目指したが、衆院解散当日の出馬表明による準備不足が響いた。参院議員時代の後援会を軸に「草の根選挙」を行い、知名度を生かした街宣で無党派層の取り込みを狙ったが、届かなかった。

 共産新人・服部耕一(45)は共産支持層以外に支持を広げられなかった。

衆院選2014・5区の市町村別獲得票数
新潟第6区
高鳥 手堅く支持集め

 自民前職・高鳥修一(54)が、国政選挙初挑戦の民主新人・梅谷守(41)を約2万票差で下し、小選挙区での連続当選を果たした。

 高鳥は前回同様、地元6県議を選対の要職に据え、区内をくまなく回る選挙戦を展開した。自民支部や市議の支援を受け、各地でミニ集会を開催。自民票を手堅くまとめた。9月まで務めた厚労政務官や現在の党厚労部会長としての実績をアピール。新たに福祉・医療業界などの支援も受け、着実に票を積み上げた。

 梅谷は上越市以外での知名度不足を最後まで克服できなかった。政権批判に加えて農家支援や地域振興を訴えたものの、無党派層の取り込みに課題を残した。予想外の解散で出遅れ、連合新潟の支援も生かし切れなかった。

 共産新人・高橋ミキ子(55)は共産支持層を固めたが、伸ばせなかった。

衆院選2014・6区の市町村別獲得票数

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