過去の衆院選

衆院選2017

5分で分かる小選挙区の戦い

 第48回衆議院議員選挙(2017年10月22日投開票)は、新潟県内6小選挙区に計15人が立候補し、全県域で「自民対野党共闘」の図式となった。結果は野党側が4勝2敗で勝ち越した。県内小選挙区の結果をグラフィックを交えてコンパクトにまとめ、紹介する

【表の見方】
当=当選、比=比例で復活当選
◎=は当選者以外の法定得票数獲得者、☆=比例代表との重複者
自=自民、立=立憲民主、共=共産、諸=諸派、無=無所属
前=前職、元=元職、新=新人
( )内の数字は当選回数

新潟第1区
西村、オール野党で浸透
石崎、「公明」固めきれず
128,045 西村智奈美 ☆立前
113,045 石崎徹 ☆自前

西村 智奈美(にしむら ちなみ)
50歳 立前(5)、元厚生労働副大臣(外務政務官、新潟県議)小樽市、新潟大院

石崎 徹(いしざき とおる)
33歳 自前(3)、党国防部会長代理(総務委理事、財務省職員)新潟市、慶大

市町村別獲得票数

衆院選2017・1区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 40代以上の中高年層から幅広く支持を集めた立憲民主前職・西村が、自民前職・石崎に1万5千票差をつけた。3度目の対戦で初めて小選挙区での勝利。共産党を含めた初の「オール野党態勢」が奏功した。
 石崎は自民支持層をまとめ、比例復活した。自民支持層の9割を固めたが、推薦を受けた公明党の支持層は6割超。若年層に強みを見せたが、無党派層の支持は3割超にとどまった。

新潟第2区
鷲尾、市部で大差付ける
細田、10代支持も及ばず
97,808 鷲尾英一郎  無前
81,705 細田健一 ☆自前
  10,055 五十嵐健彦  共新

鷲尾 英一郎(わしお えいいちろう)
40歳 無前(5)、公認会計士(民進党政調副会長、農水政務官)東京都、東大

細田 健一(ほそだ けんいち)
53歳 自前(3)、元農水政務官(経産省課長補佐)東京都、米ハーバード大院

市町村別獲得票数

衆院選2017・2区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 民進系の無所属前職・鷲尾と自民前職・細田の3度目の対決は、鷲尾が1万6千票差で制した。わずか102票差で細田が逃げ切った前回選とは一転した。細田は初の比例復活となった。
 鷲尾は大票田での浸透が目立ち、燕市で8千票、新潟市西蒲区で4800票、柏崎市で2500票の差を付けた。細田は10~30代から支持を集め、特に10代では6割が支持した。

新潟第3区
黒岩、新発田など固める
斎藤、6市町村で上回る
95,644 黒岩宇洋  無前
95,594 斎藤洋明 ☆自前
  3,375 三村誉一  無新

黒岩 宇洋(くろいわ たかひろ)
51歳 無前(3)、元法務政務官(参院議員秘書、参(1))南魚沼市、東大中退

斎藤 洋明(さいとう ひろあき)
40歳 自前(3)、党水産部会長代理(公正取引委員会職員)村上市、神戸大院

市町村別獲得票数

衆院選2017・3区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 無所属となった民進系前職・黒岩が新潟市北区や五泉市、新発田市で票を固め、紙一重の50票差で自民前職・斎藤の猛追をかわした。斎藤は全域で前回から票を積み増したが、2回連続で比例復活だった。
 斎藤は地元の村上で約5千票上回り、全体で得票を伸ばした。郡部を中心に全10市町村中6市町村で上回ったが、一歩及ばなかった。

新潟第4区
菊田、全域で幅広い支持
金子、無党派支持伸びず
112,600 菊田真紀子  無前
87,524 金子恵美 ☆自前

菊田 真紀子(きくた まきこ)
47歳 無前(6)、元外務政務官(加茂市議)川崎市、新潟・加茂高

市町村別獲得票数

衆院選2017・4区の市町村別獲得票数

※新潟江南4区には新潟北区4区を含む

戦いの分析

 女性前職同士の3度目の戦いは、民進系無所属・菊田が約2万5千票の大差で自民・金子を退けた。菊田は金子に初めて勝利し、2009年以来となる小選挙区の議席を奪還して6選を果たした。
 金子は自民・公明支持層の8割前後を固めた。しかし、重視した無党派層への浸透に苦戦。同年代の30代からは6割近い支持を得たが、高齢者層を取り込めなかった。

新潟第5区
泉田、浮動票も取り込み
大平、原発争点化ならず
91,855 泉田裕彦 ☆自新
79,655 大平悦子  無新
  5,735 笠原麗香  諸新

泉田 裕彦(いずみだ ひろひこ)
55歳 自新(1)、元新潟県知事(岐阜県局長、通産省課長補佐)加茂市、京大

市町村別獲得票数

衆院選2017・5区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 元知事の自民・泉田が、保守票をまとめた上で浮動票も一定程度取り込み、元魚沼市長の無所属・大平との新人対決を制した。元衆院議員・長島忠美の死去に伴う補欠選挙から一転、解散による総選挙に統合された。
 「オール野党」態勢の大平は、立憲民主支持層の8割、共産、社民支持層の9割をまとめた。特に終盤は「原発再稼働阻止」の訴えを徹底したが、争点化はできなかった。

新潟第6区
高鳥、被災糸魚川で圧勝
梅谷、大票田上越は善戦
94,292 高鳥修一 ☆自前
92,080 梅谷守  無新

高鳥 修一(たかとり しゅういち)
57歳 自前(4)、元内閣府副大臣(厚労政務官、衆院議員秘書)上越市、早大

市町村別獲得票数

衆院選2017・6区の市町村別獲得票数
戦いの分析

 自民前職・高鳥が保守票を手堅くまとめ、「オール野党」で再び挑んだ民進系の無所属新人・梅谷の猛攻をかわして、小選挙区で3連勝した。後援会や自民支部による組織戦で臨んだ高鳥は、自民支持層の9割以上を押さえ、20代や60代を中心に幅広く支持を集めた。
 比例復活のない無所属で挑んだ梅谷は、立憲民主、社民支持層の9割、希望、共産支持層の8割を押さえ、無党派層の6割強の支持を集めた。

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