第2弾 魚沼

大地の息吹 緑一面

新潟日報 2019/08/01

 山と川に抱かれた魚沼エリア(南魚沼市、十日町市、魚沼市、津南町、湯沢町)を空から見た。冬は真っ白な雪に覆われる。打って変わって夏は緑一色に覆われ、まさに別世界。大地の鼓動が生んだ“芸術”や人の営みが築いた街並み-。さまざまな表情が広がっていた。

 ヘリが魚沼市に近づくと奥只見ダムが見えた。湖には、水をかき分けて進む遊覧船。本県から尾瀬に向かう玄関口であり、一大観光地だ。

魚沼

魚沼市上空から見た奥只見湖。ダム建設に伴って生まれた人工湖だ。遊覧船では奥只見の山並みや、自然の力が形作った岩など、さまざまな景色が眺められる。

 八海山(1778m)を目指し、南魚沼市上空へ。山の周囲を飛ぶ。市内は鮮やかな緑色の水田が広がる。一筋の線を描く関越道を追って湯沢町に向かった。スキー場とリゾートマンション群、そして上越新幹線。交通体系の整備とともに発展した、地域の成り立ちを感じた。

南魚沼

越後三山の一つで、古くから山岳信仰の山として知られる八海山。山頂付近にはまだ雪が残っていた。夏場は登山客で、冬場はスキー客でにぎわう。

湯沢

湯沢町のガーラ湯沢スキー場。ゲレンデには白いマットが引かれ、夏でもスキーを楽しめる。かなたに広がる中心街には温泉宿やマンションが立ち並ぶ。

 ヘリは魚沼丘陵を飛び越え、十日町市に入った。清津峡では、山を切り裂いたかのような岩壁と清津川の急流がくっきり。津南町では、溶岩が固まってできた崖「石落おとし」に目を奪われた。自然の力に圧倒された。

十日町

日本三大峡谷の一つの清津峡を十日町市の上空から望む。秋の紅葉など春夏秋冬でさまざまな景色が楽しめる。全長750メートルの観賞用トンネルも人気だ。

津南

津南町見玉集落にある景勝地「石落し」。津南のグランドキャニオンとも呼ばれる。約30万年前の苗場山噴火で出た溶岩が、中津川による浸食を受け生まれた。

 空から回っただけでも、魚沼の力と息吹が伝わってきた。8月1日にスタートした本社の「未来のチカラ」プロジェクトでは、あまたある地域の魅力にスポットを当て、未来図を描いていく。