山根士郎氏(共同通信社ニュースセンター長)

7月12日 戦略のない解散見送り

 新潟日報政経懇話会上越会の7月例会が12日、上越市のデュオ・セレッソで開かれ、共同通信社ニュースセンター長の山根士郎氏が「岸田政権と衆院選の行方」と題して講演した。岸田文雄首相が6月に衆院解散を見送ったことについて、「戦略なき解散見送りだった。今後の勝算もなく、秋以降にその都度、状況を見ながら判断するのだろう」と述べた。

 要旨は次の通り。

 一、岸田首相が6月13日に衆院解散について「諸般の情勢を総合して判断する」と発言し、解散風が一気に広がった。しかし、自民党は東京などの地方議員選挙で厳しい結果が続いていた。長男・翔太郎秘書官の問題もあった。選挙に負けたら、翔太郎氏のせいだと言われかねない。戦略も勝算もない解散見送りだった。
 一、岸田首相は来年秋の党総裁選で、再選することを最大の眼目にしている。しかし、政権は難題が山積している。公明党との関係は亀裂があらわになった。意思疎通ができていない。政策面はマイナンバーカードのトラブルが相次ぎ、国民の不信感が高まっている。少子化対策と防衛費増額の財源を先送りしている。東京電力福島第1原発の処理水放出も反発がある。どれも政権の命取りになりかねない。
 一、世論調査で内閣支持率が低迷している。政権浮揚を狙った内閣改造と自民党役員人事が、9月中旬を軸に検討されている。茂木敏充幹事長の処遇が焦点だ。岸田政権発足から10月で2年になるが、首相のやりたいことが見えてこない。熱が伝わらない。そこに国民も気付きだしたことが、支持率低迷の背景だろう。

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