矢嶋康次氏(ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト)

8月22日 売上高向上への転換を

 新潟日報政経懇話会上越会の8月例会が22日、上越市のアートホテル上越で開かれ、同市出身でニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの矢嶋康次(やすひで)氏が「日本経済の課題と展望」と題して講演した。これまで企業はコスト削減に注力してきたが、物価高や賃上げで難しくなっていると指摘。生産性を高め、売上高を伸ばすことがより重要になっていると説いた。

 要旨は次の通り。

 一、この1年、国内では値上げが相次いだ。消費者は2回目、3回目の値上げは許容できないので各社は新商品を投入している。研究開発には、新商品のアイデアを出す従業員の賃上げも必要。一方、労働力人口は2000年ごろから減り、女性の就労と雇用の延長で労働者数を保ってきたが、昨年から減っている。人材確保のため今年は賃上げの流れだったが、来年以降は業績の悪い企業が賃上げするのは無理だろう。
 一、日本の企業は生産性を維持するため20年、30年にわたり賃金や費用を削ってきた。これは世界の中で日本だけ。コストカットはしないといけないが、利益を生むほどのコストカットはできなくなっている。経営者は売り上げをどう伸ばすか考えないといけない。
 一、インバウンド(訪日客)は温泉入浴や四季の体験、自然体験ツアーなどのニーズが高い。地方に長期滞在し、体験したいということ。本県は海、山、川があり、サイクリングや釣りなど何でもできる。新幹線が二つもあり、東京から近いのに、インバウンドの数や1人当たりの支出額は少ない。本県全体で誘客について考えてほしい。

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