荒井太郎氏(相撲ジャーナリスト)

9月13日 苦難乗り越え国技守る

 新潟日報政経懇話会上越会の9月例会が13日、上越市のデュオ・セレッソで開かれ、相撲ジャーナリストの荒井太郎氏が「国技大相撲の奥深い世界」と題して講演した。大相撲は新型コロナウイルス感染禍など多くの苦難を乗り越えてきたとして、「国技という伝統文化を継承し守り抜いてきた。変わらないことの大切さを感じている」と強調した。

 要旨は次の通り。

 一、横綱が不在の秋場所は、早くも三役以上の全勝がいない混戦だ。優勝争いは、3人の大関陣に新関脇琴ノ若と前頭朝乃山が加わり面白くなるだろう。怪力が持ち味の新小結錦木が鍵を握っている。錦木に足をすくわれると優勝争いから脱落すると見ている。
 一、秋場所はチケットが既に完売した。感染禍前の水準に戻ったが、この3年間は苦難の連続だった。2020年の3月場所は無観客開催だった。中止するべきという意見もあったが、国難の時こそ伝統を絶やしてはいけないと開催した。四股は地中にある邪悪なものを踏みしめる神事に基づいている。土俵入りは五穀豊穣(ほうじょう)と世の中の平安を祈願している。それが大相撲の力だ。関東大震災や太平洋戦争、戦後の占領下などでも守ってきた。
 一、最多優勝回数を誇る元横綱白鵬は「伝統文化の伝道師」「角界の異端児」と両方の見方がある。かち上げなど激しい取り口が非難された。しかし、白鵬は勝負は命のやりとりだと考え「死ぬか生きるかに美しさはない」と勝つことにこだわった。ギリギリの中で精神を研ぎ澄まし、大相撲を支えていた。

入会方法

下記のフォームよりお申し込みください。

 

郵送・FAX・メール添付の場合は、入会申込書にご記入の上、下記事務局までお送りください。

 

お預かりした個人情報は、政経懇話会の案内・運営の目的にのみ使用します。

 

お問い合わせ

新潟日報政経懇話会事務局(新潟日報社ふれあい事業部内)
〒950-8535 新潟市中央区万代3-1-1
Tel: 025-385-7144
Fax: 025-385-7446
E-mail:seikon-ni@niigata-nippo.co.jp