5月16日 羽越新幹線へ機運を
新潟日報政経懇話会上越会の5月特別例会が16日、上越市のデュオ・セレッソで開かれ、花角英世知事が「県政の諸課題について」と題して講演した。新潟市と上越地域を結ぶ鉄道の高速化について「(日本海側を走る)羽越新幹線をいずれ実現させたい。富山や山形、秋田県との連携も重要なので、広く関係者を巻き込んで機運をつくりたい」と述べた。
知事は「本県は面積が広いので一体感をどうつくるか常々考えている」とした上で「上中下越の主要都市である上越、長岡、新潟を楽に行き来できる環境をつくる」と、鉄道の高速化の意義を説いた。
県も出資している「えちごトキめき鉄道」など経営が厳しい上越地域の鉄道については「ビジネスとして成り立たなくなっている鉄道をどう維持するか。急激に黒字化するのは難しいので公的な支援が不可欠だ」との認識を示し、「地域の足として多くの人に利用してもらい、できるだけ収益を上げる必要がある」とした。
上越、魚沼地域を結ぶ「上越魚沼地域振興快速道路(上沼道)」については「沿線の皆さんは上越、魚沼方面の医療へのアクセスが容易になる。人が入ってきやすいので交流人口の拡大も期待できる。物流のネットワークが強固になるので日本経済の底上げにつながる」と利点を挙げ、整備の必要性を語った。
上越医療圏の再編に関しては「上越の公的・公立病院はどこも経営が厳しいので形を変えないと持続可能にならない」と指摘。「医療スタッフが充実し、高度医療を担う中核となる病院をつくるのが再編の狙い。体力のある病院がないと救急や新型コロナウイルスのような緊急事態に対応できない」と述べた。
◎妙高のリゾート構想に期待
花角知事は上越地域の観光分野についても語った。妙高市の妙高高原地域などでは、外資系投資ファンドが高級ホテルなどの建設を進めている。知事は「上越地域に大きなインパクトをもたらす。レジャーだけでなくアートなど多くの機能を持たせる構想があるようだ」と説明。「世界に冠たるリゾートを作ってほしい」との期待感を示した。
その上で「その玄関口は上越妙高駅にしてほしいとお願いしている。地元からもどうしてほしいのかを(ファンド側に)伝えてもらい、ウィンウィンの関係になるといい」と語った。
自らフランス・パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部を訪れ、世界遺産登録に向けてアピールをしてきた佐渡金山に関しては「審査でどう判断されるかは分からないが、多くの方に働きかけを続けてきた。佐渡金山の価値に対する理解は間違いなく進んだ」と言葉に力を込めた。
そして「佐渡を訪れてくれる方々をリピーターとする環境づくりが必要。宿泊などのサービスを上げて、関西方面からの入り口となる上越地域を含め、県全体を周遊してもらう仕掛けが大事になる」と説き、世界遺産登録後を見据えた取り組みの重要性を説いた。
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