福島香織氏(フリージャーナリスト)

8月21日 日中関係の改善見えず

 新潟日報政経懇話会上越会の8月例会が21日、上越市のアートホテル上越で開かれ、フリージャーナリストの福島香織氏が、中国の習近平国家主席と日中関係の今後について講演した。中国は米国の経済と決別する方向性を打ち出しているとし、「米国の代理人みたいに思っている日本との関係は自然と疎遠になる」との見方を示した。

 要旨は次の通り。

 一、中国共産党の重要会議である第20期中央委員会第3回総会(3中総会)が7月に開かれ、「中国式現代化」を推進すると決定した。中国式現代化は習氏が打ち出したスローガン。中国共産党のような独裁政治でも発展してきたと、グローバルサウスと呼ばれる新興・途上国に訴えたいのだろう。3中総会では米国市場とのデカップリング(切り離し)の方向性も決めている。これは、米国との関係修復は無理と判断したということだ。
 一、11月の米大統領選で共和党候補のトランプ氏が大統領に返り咲いた場合、米国と台湾の関係はどうなるか。トランプ氏は台湾をただでは守らないというような発言をした。逆に台湾は金を出せば守ってくれると捉えていて、米国が台湾の安全にコミット(関与)してくる可能性がある。トランプ政権になると、恐らく中国にとってはやりにくい状況になる。
 一、岸田文雄首相の後継が誰になったとしても、習近平政権としては日本と仲良くなるメリットは今のところない。権威主義によって現代化を図り、米国経済と決別する方向性を決めている以上、中国にとって「米国の代理人」に過ぎない日本とは、おのずと関係は疎遠になるだろう。

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