新家義貴氏(第一生命経済研究所エコノミスト)

12月12日 景気回復 加速は難しく

 新潟日報政経懇話会上越会の12月例会が12日、上越市のアートホテル上越で開かれ、第一生命経済研究所シニアエグゼクティブエコノミストの新家義貴(しんけ・よしき)氏が「2025年の日本経済を占う」と題して講演した。日本経済の見通しについて「景気は回復するが、停滞感がある。加速するまでの強さはないだろう」と分析した。

 要旨は次の通り。

 一、24年の世界経済を振り返ると、米国経済は予想を上回る強さだった。一方、ヨーロッパは景気が鈍化し、中国も不動産不況が長引き消費は伸びなかった。日本は物価上昇に賃上げが追いつかず、消費が低迷している。値上げで収益が増えた企業は多いが、家計は値上げに苦しんでいる。国民は景気回復の実感を持てていない。
 一、25年の春闘に注目している。5%の賃上げを実現した24年春闘と同程度を実現できるかどうか。円安が長期化しており、物価上昇は続く。賃金を上げて、消費を増やす好循環を実現するには、ハードルがある。実質賃金の伸び率は小さいため、消費の回復は緩やかにとどまるだろう。景気が加速するほどにはならないとみている。
 一、25年は巳(み)年だ。過去をさかのぼると巳年は、さまざまな出来事が起き節目の年といえる。1989年はバブル景気の絶頂を迎え、東西冷戦が終結した。2001年はITバブルが崩壊し株価が暴落した。米国で同時多発テロも起きた。13年はアベノミクスが本格始動した。25年はトランプ氏が米大統領に再登板する。トランプ氏は10兆ドルの減税、移民抑制、関税引き上げなど超インフレ政策を掲げている。世界経済にどのような影響があるか予測しにくい。

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