講演する京都大学経営管理大学院特定教授の藤田哲雄氏=2025年08月22日、長岡市千秋1、長岡ベルナール
藤田哲雄氏(京都大学経営管理大学院特定教授)

8月22日 地銀、地方創生のハブに

 新潟日報政経懇話会長岡会の8月例会が22日、長岡市の長岡ベルナールで開かれ、京都大学経営管理大学院特定教授の藤田哲雄氏が「地銀統合とデジタルトランスフォーメーション(DX)が拓(ひら)く地域金融の未来」と題して講演した。統合が加速する地方銀行の役割について「地方創生を推進するハブとしての期待が高い」とした。

 要旨は次の通り。

 一、地銀を取り巻く環境は、人口減少や地場産業の衰退、低金利政策による収益低下など課題が山積だ。2018年の金融庁の報告では1県1行でも存続が不可能な地域がかなりあり、銀行界に与えたショックは大きかった。統合メリットは経営基盤の強化と効率化。勘定系システムの刷新だけで数百億円規模が必要で、共有化でコスト削減が図られる。統合のメリットで得た余力でDX化が進めば、ビジネスモデルの転換や顧客サービスの革新にもつながるだろう。
 一、従来の担保や保証に頼らず、企業の成長性や将来性を重視する「事業性融資」の仕組みが来年、制度化される。スタートアップにも資金が流れ、地域経済の起爆剤になることが期待される。「目利き」が重要な事業性融資とDXは相性が良い。データ活用で企業評価の高度化が図られる。
 一、本県の第四北越フィナンシャルグループ(新潟市中央区)と群馬県を地盤とする群馬銀行(前橋市)の経営統合が予定されているが、地銀統合は同一県内や隣県から、今後は複数県にまたがる「広域経済圏」での再編が進んでいく。観光や再エネ分野など県境を越えた地方創生プロジェクトの実現へ、地銀のネットワーク力に対する期待は高い。地域経済の中核として、持続可能な地域社会をつくる原動力にならなければいけない。

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