熊野英生氏(第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミスト)
6月18日 戦闘終結効果年明けか
新潟日報政経懇話会長岡会の6月例会が18日、長岡市の長岡ベルナールで開かれ、第一ライフ資産運用経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏が「イラン情勢で日本経済はどうなるのか?」と題して講演した。米国とイランの戦闘終結に向けた覚書に関し「19日に正式署名されれば原油価格はさらに下落していくが、日本国内で効果が表れるのは年明け以降になる」との見方を示した。
要旨は次の通り。
一、覚書の正式署名によって、原油価格の下落が進む気配がある。ただ、日本では米国から緊急輸入した高値の原油が今秋ぐらいまで出回る見込みで、原油高に伴う物価高は半年近く続くとみている。原油価格がどこまで下がるかについても、イランの核問題を含む最終合意によって変わってくる。
一、戦闘が終結すれば、原油の備蓄が少ないアジアを中心に、石油製品の供給が回復し、恩恵を受ける企業が出てくる。一方で建設業を中心に、材料不足などの目詰まりが解消するまでに時間がかかるため、国内企業の業績回復は二極化するだろう。
一、日銀は政策金利について1%程度への引き上げを決めたが、米国との金利差が大きく、日本の円安はしばらく続く。景気を見ても名目賃金の上昇に対し、実質賃金は上がっていない。特に中小企業は賃上げのため、1人当たりの生産性を上昇させることが求められる。切り札となるのは人工知能(AI)だ。ソフトウエアへの投資で事務作業を効率化させれば、収益向上につながるはずだ。
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