
7月14日 雇用が人つなぎ止める
新潟日報政経懇話会長岡会の7月例会が14日、長岡市のホテルニューオータニ長岡で開かれ、日本総合研究所上席主任研究員の藤波匠氏が「人口減と地方活性化の試み」と題して講演した。地方の人口流出を食い止めるには「地域で産業を育成し、雇用を創出していくことが重要だ」と述べた。
要旨は次の通り。
一、感染禍で東京圏の転入超過は半減し、東京一極集中は一時、低調となった。ただ、その恩恵は大都市近郊に限られた。山梨県は2019年の転出超過から21年には転入超過に転じたが、新潟県は転出超過がやや縮小したにすぎない。特に若い世代の流入傾向は認められない。どの地方自治体も限られたパイを奪い合う移住促進策に偏重しており、これには限界がある。
一、人をつなぎ止めるには、しっかりとした雇用をつくる必要がある。それにはあらゆる産業での生産性向上が不可欠だ。農業分野で言えば機械化や大規模化が挙げられるが、農家の努力だけでは限界だ。海外依存度が高い肥料や飼料など周辺産業を集積するなど、富を生み出すための地域産業戦略が求められる。
一、感染禍後は、再び各地方で転出超過が拡大し、特に女性の流出が止まらない可能性が高い。ただ、目の前の転出超過を焦っても仕方ない。目先の対策ではなく、若い人を育て、活躍する場をつくる視点で地域産業を育成し、賃金や正規雇用を拡大していくことが必要だ。これは少子化対策にもつながる。長岡地域は、戊辰戦争後、教育に力を入れ、次の世代を育てることで豊かな社会を目指した「米百俵の精神」が根付いている。これは地方活性化の極めて重要な視点であり、本質だ。
入会方法
下記のフォームよりお申し込みください。
郵送・FAX・メール添付の場合は、入会申込書にご記入の上、下記事務局までお送りください。
お預かりした個人情報は、政経懇話会の案内・運営の目的にのみ使用します。
お問い合わせ
新潟日報政経懇話会事務局(新潟日報社ふれあい事業部内)
〒950-8535 新潟市中央区万代3-1-1
Tel: 025-385-7144
Fax: 025-385-7446
E-mail:seikon-ni@niigata-nippo.co.jp