鳥越規央氏(統計学者)

10月18日 データ解析チームに力

 新潟日報政経懇話会長岡会の10月例会が18日、長岡市のホテルニューオータニ長岡で開かれ、統計学者で江戸川大学客員教授の鳥越規央氏が「大リーグ、プロ野球に学ぶ勝てる組織の作り方」と題し講演した。野球選手の新しい評価指標「セイバーメトリクス」について「経験則や勘による『思い込み』を排除し、選手を正当に評価するデータ解析だ」と述べた。

 要旨は次の通り。

 一、野球では、無死満塁になると逆に点数が入りにくいという格言がある。ただ統計上、1点以上入る確率は約84%であらゆるケースで最も高い。無得点で終わるのは約16%だが、残念な結果は記憶に残りやすい。こうした思い込みを排除し、勝利に導く戦略を得るのがデータ解析だ。
 一、セイバーメトリクスは、野球選手を客観的、科学的に分析する米国発の新指標だ。プロ野球の打撃表彰3部門の一つの打点は、走者の有無にも影響される。一方、新指標に出塁率と長打率を足したOPSがある。大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は今季、超一流とされる1・0を超えてメジャートップだった。
 一、チームづくりにデータ解析をいち早く導入したのが北海道日本ハムファイターズだ。独自システムに基づく選手の起用や育成、ドラフト戦略で2006年からしばらく常勝チームになった。チームを強くするには、フロントの統計リテラシー向上が不可欠だ。新潟アルビレックスBCの橋上秀樹監督は、巨人のコーチ時代、阿部慎之助選手の指導を機に、見逃し三振をマイナス評価しないよう球団に進言。相手投手の配球データを重視した。結果、チーム全体の三振は減り、四球は増えた。橋上さんの下でアルビBCの活躍に期待している。

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