
9月18日 皇位継承世論の喚起を
新潟日報政経懇話会長岡会の9月例会が18日、長岡市の長岡ベルナールで開かれ、名古屋大大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が「皇位継承の今後と皇族のあり方」と題して講演した。女性・女系天皇を巡る議論に関し「古代から男系男子が続いてきたわけではない。象徴天皇制について国民がどうあるべきか関心を持つことが重要だ」と述べた。
要旨は次の通り。
一、皇室典範では、皇位は皇統に属する男系男子が継承するとある。ただ、古代から近世にかけて女性天皇は8人存在した。最初は推古天皇だ。男女を問わず皇族の実力者がなっていた。古代史研究によれば、女性天皇は中継ぎではない。
一、共同通信社が3、4月に行った世論調査では、皇位継承の安定性について危機感を持っている人が7割に上り、9割が女性天皇の容認に賛同している。ただ、世論と政府の間で乖離(かいり)がある。2005年の小泉内閣の有識者会議は女性・女系天皇を認め、皇位継承順位は第1子優先とする方向性を示したが、反発もあり、翌年の秋篠宮家の長男悠仁さま誕生で立ち消えた。菅義偉前首相の下で開かれた有識者会議では、皇族数の確保に向けて女性皇族が婚姻後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設や旧宮家の皇籍復帰の是非が議論の軸になった。
一、皇室は皇族数の減少と公務の増加が課題になっている。天皇は国民と苦楽を共にするという精神的な立場にある。現在の上皇さまが阪神・淡路大震災で被災地を見舞う姿が記憶に残るが、公務は昭和天皇と比べても多かった。象徴天皇制について、どうあるべきか、世論の喚起が必要だ。
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