林真一郎氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員)

4月16日 米関税で下振れリスク

 新潟日報政経懇話会長岡会の4月例会が16日、長岡市の長岡グランドホテルで開かれ、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏が「2025年度の内外経済展望」と題して講演した。トランプ関税で「日本経済の下振れリスクは急速に強まっている」とした。

 要旨は次の通り。

 一、トランプ米大統領の経済政策は「アメリカ・ファースト」であり、関税引き上げ率は言いがかりに近い。やり方も過激で性急だ。劇薬とも言え、米国のデメリットも大きい。米国内では生産や投資が増加する半面、物価上昇や報復関税による輸出の減少、保護貿易による産業競争力の低下といった自爆リスクもはらんでいる。
 一、日本は、対米輸出の3割を占める自動車産業のダメージが避けられず、夏場に実質の影響が出てくる。米景気が悪化する第2段階、さらに米中の共倒れで世界経済の悪化を招く第3段階に至れば、日本もマイナス成長に陥る。ただ、トランプ氏が最終段階に至るギリギリのタイミングで踏みとどまる、というのがメインシナリオだ。
 一、日米交渉で米国は貿易赤字改善の実利を取ってくる。米農産物の輸入拡大など交渉次第で、日本に上乗せした関税の引き下げや適用外にすることもあり得る。最初の交渉先となる日本との交渉結果が一つの基準となるため、世界が注目している。日本の景気は物価上昇がピークアウトし、手堅い内需とインバウンド需要で、緩やかな持ち直しが続くと見ていたが、トランプ関税に伴う外需の不安定要素の高まりから、景気悪化リスクは増している。

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