
7月26日 水産資源が危機に直面
新潟日報政経懇話会新潟会の7月例会が26日、新潟市中央区のホテルイタリア軒で開かれ、フードジャーナリストで一般社団法人「Chefs for the Blue」代表理事の佐々木ひろこ氏が「日本の水産資源を守り、食文化を未来につなぐために」と題して講演した。日本近海の水産資源が減少を続けているとし、「漁業者だけでなく、飲食店や消費者なども含めた社会全体が現状を理解し、産業を支えるべきだ」と述べた。
要旨は次の通り。
一、日本の周辺は海流などに恵まれ、多種多様な水産資源がある。新潟で食べられている甘エビやサケなどのように、各地の郷土料理で使われ、食文化の根幹となってきた。観光資源にもなる、非常に大切な存在だ。
一、魚は無限ではなく、近年は漁獲量が激減している。このままでは、ニホンウナギやニシンなど多くの魚種が食卓から消える可能性もある。海水温の上昇などに加え、魚が持つ「再生産能力」を超える過剰な漁獲を続けてきたことが要因として考えられる。国も適切な管理の必要性を掲げ、漁獲量に枠を設けるなど対策に取り組んでいる。
一、養殖に懸ければよいとの考え方もあるが、頼り切ることはできないのが現状。餌となる魚は結局海から取らなければならず、完全養殖が確立していない魚種もある。それでは環境負荷が大きい上、産業として脆弱(ぜいじゃく)と言わざるを得ないからだ。日本の豊かな海を取り戻し食文化をつなぐため、消費者らがそれぞれの立場からできることを考え、動いていく必要がある。
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