徳山日出男氏(国土技術研究センター理事長)

2月19日 災害の教訓「自分事」に

 新潟日報政経懇話会新潟会の2月例会が19日、新潟市中央区のホテルオークラ新潟で開かれ、国土技術研究センター理事長の徳山日出男氏が「災害列島に生きる 危機管理とリーダーの心得」と題して講演した。国土交通省東北地方整備局長時代、東日本大震災の復旧対応に当たった経験を踏まえ、「想定外の『まさか』は起きる。大災害の教訓を自分事と捉え、備えを怠らないことが重要だ」と強調した。

 要旨は次の通り。 

 一、東日本大震災の発災直後、国交省とのテレビ会議で大畠章宏国交相(当時)が「私と事務次官への報告は事後でいい。国交省の代表として臨機応変に判断してほしい」と、局長の私に権限を与えてくれた。その決断はありがたく、大災害で情報が限られる中でも、救援ルートの確保や職員派遣、ひつぎの準備までどんどん指示を飛ばすことができた。危機発生時に緊急対応するためには早く、大きく構えることが大切だと学んだ。
 一、何度も訪ねている岩手県陸前高田市の津波伝承館では「頑張ってください」という感想が目立つ。だが、それは被災者にとって嘆きでしかない。教訓を自分事として考えられていないからだ。過去の災害に関する情報を持っていても防災の行動と結びつかない。それは「すぐ起こるはずがない」「自分は大丈夫」と思っているからだ。
 一、日本は自然災害のリスクランキングで171カ国中、ワースト4位。歴史を見ても地震や津波、噴火に幾度も襲われている。ただ、日本人はそのたびに立ち上がって努力と工夫を重ね、今の日本を築いてきた。先人が命がけで築いた教訓を自分事として捉え、いつか起きる災害にしっかりと備えてほしい。

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