
3月18日 「食と農」の基盤確立を
新潟日報政経懇話会新潟会の3月例会が18日、新潟市中央区のホテルイタリア軒で開かれ、日本総合研究所会長の寺島実郎氏が「世界の構造変化と日本再生の構想」と題して講演した。日本の成長戦略を巡り、「成長は太平洋側から日本海側に静かにシフトしている」と指摘。食料自給率が100%を超える本県は「食と農」の分野の産業基盤を確立することが成長につながると強調した。
要旨は次の通り。
一、産業のパラダイム(枠組み)が変わってきている。新型コロナウイルスの国産ワクチン開発の遅れと、国産ジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の失敗で、日本は総合エンジニアリング力が欠落したことが明らかになった。新たな基幹産業として「食と農」「医療・防災」といった分野の産業基盤を強化することが、イノベーション(革新)に向かう。食と農は新潟に大きく関係する。
一、日本の成長や飛躍は中国やシンガポール、台湾など(の成長エネルギーを取り込む)アジアダイナミズムと連動する必要がある。中国から米国への貨物航路は、津軽海峡を経由した日本海物流が軸になっている。日本海を抜けると現地に2日早く着く。外貨コンテナ貨物量の伸び率では金沢港と島根県の浜田港が伸びている。新潟港は大きな流れの中から、少し後れを取っている。
一、世界の国内総生産(GDP)シェアの推移を見ると、日本は1994年に17・8%を占めていたが、2023年は4%に減った。中国は17%で、日本がアジアの先頭ではないことが示された。11年の東日本大震災後、「日本を取り戻す」という奇妙なメッセージに国民が共鳴し、アベノミクスという調整インフレ政策が進んだ。やすきに流れた。経済の埋没は政治の埋没に相関する。
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