永井利治氏(共同通信社論説委員長)

5月28日 米関税、コメ政権の課題

 新潟日報政経懇話会新潟会の5月例会が28日、新潟市中央区のホテルオークラ新潟で開かれ、共同通信社論説委員長の永井利治氏が「石破政権と日本経済」と題して講演した。トランプ米大統領の関税政策に関連し「自動車への追加関税に関する日米交渉の結果は大きな焦点になる」と指摘した。

 要旨は次の通り。 

 一、少数与党の石破政権にとって目下の懸案は、内閣不信任案をめぐる攻防だ。日米関税交渉が6月の前半に山場を迎えるとみられる。交渉で一定の成果を得て、立憲民主党が不信任案を出しにくい状況にしたいとしている。7月には参院選も控えており、同様にコメ対策も急いでいる。
 一、自動車大手の来年3月期決算では、各社が関税による減益幅を大きく見込む。自動車への追加関税がこのままであれば、日本経済に与える影響は非常に大きくなる。赤沢亮正経済再生担当相とベセント米財務長官との閣僚交渉となるが、最後の鍵は、トヨタ自動車の豊田章男会長になるだろう。トヨタが米国への大規模な投資を表明する代わりに、自動車の関税引き下げが考えられる。
 一、備蓄米放出の随意契約に大手スーパーなどが申し込みをした。今後の影響は短期的と中長期的に分けて考えることが必要だ。来週には5キロ2千円のコメがスーパーの店頭に並び、インパクトとなるだろう。ただ備蓄米と銘柄米は全く違うものだ。肥料や燃料費が高騰する中、生産者はこれまでなかなか価格転嫁できなかった。中小農家がコメ作りを続けられるのが大前提だ。コメ政策は今回の騒動をきっかけに、深い議論が続いていくだろう。

入会方法

下記のフォームよりお申し込みください。

 

郵送・FAX・メール添付の場合は、入会申込書にご記入の上、下記事務局まで

お送りください。

 

お預かりした個人情報は、政経懇話会の案内・運営の目的にのみ使用します。

 

お問い合わせ

新潟日報政経懇話会事務局(新潟日報社ふれあい事業部内)
〒950-8535 新潟市中央区万代3-1-1
Tel: 025-385-7144
Fax: 025-385-7446
E-mail:seikon-ni@niigata-nippo.co.jp