柏崎市と出雲崎町、刈羽村の魅力や宝物を発信し、アピールする「未来のチカラin柏崎・出雲崎・刈羽」のキャンペーン企画「たいが50」で、3市町村から推薦してもらった地域の宝物の中から、夏に楽しめるものをピックアップして紹介します。第1弾は「体験したい」。出雲崎町の井鼻海水浴場で年齢を問わず人気のマリンスポーツ「SUP(サップ)」に柏崎総局の蝶名林知世記者(24)が挑戦しました。
【メモ】 SUPという名称は「スタンドアップパドルボード」という英語の頭文字に由来する。県内でも人気が高まっており、出雲崎の「DIO」は2015年にSUP体験事業を始めた。
期間は4月中旬から11月上旬ごろまで。海水温が低いときはウエットスーツを貸し出す。1人1時間2800円(指導付き)、SUP用品の貸し出しは2400円。
対象は小学生以上。申し込み、問い合わせはDIO、080-6708-8864。
海の上を歩くような感覚のSUP。波の音だけが響く=井鼻海水浴場
ボードの上に立ち、パドルでこいで、海の上を進むSUP。去年の夏、出雲崎で体験し、爽快感にはまり、ぜひもう一度挑戦したかった。今回、指導をお願いしたのは平澤敏弘さん(43)。井鼻でレストラン「DIO(ディオ)」を営みながら、SUPの体験会も開いている。
挑戦した6月28日は晴天で波も穏やか。絶好の日和だった。昨年ほどの緊張感はないが、それでも海を見ると心身が引き締まる。
ボードの長さは自分の身長の倍近くとなる約3メートル、幅は約80センチ。海岸でパドルの持ち方、使い方について10分間、講習を受けた後、海に入った。まずは正座の状態でこぎ、慣れてきたらボードの上で膝立ちになる。初心者はボードの上で立つことが目標だ。
まずは浜辺で指導を受ける。ボードの上での正座や膝立ち、立ち方を教えてもらう
2回目なので、こぎ出して10分ほどで立てるように。去年は30分ほどかかったが、今回はスムーズにいった。立ち上がる時、バランスを崩しそうになったものの、冬場にスノーボードでバランス感覚を鍛えた成果か、持ちこたえた。
不安定なボードの上に立つと、バランスを崩しそうになる。海に落ちないように必死に踏ん張った
「目線は進行方向に向けて」「パドルは海に深く入れて」と平澤さんからアドバイスを受ける。海のSUPは、湖と違い、波があるためバランスを取るのが難しいという。波のうねりに合わせ、膝を使うとボードが安定した。
沖に向かって進んでいく。波の音だけが心地よく響く。海の上を散歩しているようだ。どこまでもこいで行ける気分になる。海風が気持ちいい。
15分ほどこぎ、周りを見渡すと弥彦山が見えた。足下には透明な海が広がり、魚が泳ぎ回っている。運が良ければ、沖の方でイルカに出会えることもあるそうだ。
景色を眺め、優雅な海上散歩を楽しんだのもつかの間。早く進むため、力強くパドルをこいだところ、ボードがひっくり返り、海に落ちてしまった。ライフジャケットのおかげで大丈夫だったが、海ではしっかりした備えが大事と感じた。
勢いよくこいだら、海に落ちた。自力でボードに上がれず、平澤敏弘さんに助けてもらった
1時間ほどの体験を終え、浜辺に戻ると、どっと疲れが出た。SUPは常に不安定なバランスボードの上に立っているようなもので、体幹が鍛えられる。
平澤さんによると、近年のアウトドアブームでDIOのSUP体験の予約は年々増えている。7~9月が特に多く、1日3、4組入ることもある。人気の時間帯は日没間際の午後5時~6時ごろ。夕日で赤く染まった日本海で海上散歩を楽しめる。
ペットと共にボードに乗る人や、釣りを楽しむ人もいるそうだ。道具の操作は簡単で、誰でも気軽に楽しめる。今度はボードの上でヨガをやってみたい。
※情報は掲載当時のもの