いよいよ村上市入りした地元出身のNGT48の本間日陽さん(21)と、研究生の小越春花さん(16)。城下町独特の風情ある町屋造りなどを散策した。充実した故郷巡りに本間さんは笑顔をほころばせ、小越さんも興味津々の様子だった。
まず、360年余の伝統がある染物店「山上染物店」を訪問。同店は型紙を基にした「型染」を手掛けており、のれんや法被など屋号や家紋を染め抜く「印染」が中心だ。2人は同店の山上あづささん(51)から手ほどきを受け、型染に挑戦。市特産の村上茶を使い「染める人の個性で全然違う染め物ができますよ」とアドバイスを受けた。本間さんは「どきどきする。大丈夫かな」と慎重に作業。小越さんも「個性的に、大胆に」などと自分に言い聞かせるように取り組んだ。仕上がりは2人とも深みのある色合いが印象的な型染に。「すてき!」と2人は感動し、山上さんも「渋めのすてきな色合いですね」と太鼓判を押した。
“世界に一つ”の型染作品を手ににっこり=村上市肴町
続いて老舗の鮭加工販売「千年鮭きっかわ」を訪れ、天井を覆い尽くすほどつるされた塩引き鮭に、まず息をのんだ。15代目となる吉川真嗣社長(56)が取れたての鮭を見せて、「これからが鮭の卵が一番おいしい時期」と紹介した。吉川社長は、自然素材だけで手間暇かけ、発酵や熟成に時間をかける伝統の塩引き鮭文化を説明し、大みそかに感謝していただく村上の人たちの生き方などを伝えた。2人は取れたての卵や切り身を味わい、小越さんは「こんなにおいしいなんて」とびっくり。本間さんは「当たり前のように接してきた鮭文化を見つめ直せて、この町に生まれてきたことの素晴らしさをあらためて実感した」と感動の面持ちだった。
村上伝統の鮭文化に触れる本間日陽さん(左)と小越春花さん=村上市大町
村上散策の道中、2人は思いがけず、同市の観光などをPRするキャラ「イヨボヤマン」にも遭遇。イヨボヤマンは、首から下は普通の服装ながら、鮭の背びれや腹びれがついたマスク状の顔立ちという姿。「村上を盛り上げる」という共通の思いで一致、「鮭ポーズ」を決めた。
村上をPRする「イヨボヤマン」とポーズを取る=村上市大町
その後、昨年4月にオープンしたスケートパークも見学した。冬季五輪スノーボードで2大会連続銀メダルを獲得した地元のヒーロー、平野歩夢選手(21)に憧れる小学生らの迫力ある滑りに感激。「みんな、こんなにすごいなんて。将来はすごい選手になるね、握手して」とはしゃぎ、笑顔の交流を広げていた。