第5弾 県央

エンマリ・にんまり・街ぶらり
新潟日報 2021/05/18

 新潟日報社が地域の魅力を伝え、発信する事業「未来のチカラ in 県央」で、ラジオパーソナリティー遠藤麻理さんが盛り上げに駆けつけた。遠藤さんは約25年前、20代初めにJR弥彦観光駅長を務めた後、燕三条エフエム放送(ラジオは~と)開局から約2年、パーソナリティーなどを担当した。この春、「原点の地」である県央地域を歩き、新たな魅力や変わらぬ温かさに触れた。県央5市町村を駆け抜けた遠藤さんの旅を、4回にわたり紹介する。

<えんどう・まり> 新潟市出身。フリーアナウンサー。JR弥彦観光駅長や、TeNYテレビ新潟、燕三条エフエム放送、FM PORTを経て、現在はBSNラジオ「四畳半スタジオ」パーソナリティー。本紙生活面で「遠藤麻理の なんとかなる なるようになる なんとでもなる」を連載中。
(タイトルの似顔絵は遠藤麻理さんが描いたものです)

<1> 三条・燕(上) 鉄も人も たたくほど強く 古代に思いはせ 深呼吸

鍛冶道場→保内三王山古墳群→杭州飯店

鍛冶道場

 県央といえばものづくり。まずは金物のまち三条市で、鍛冶体験ができる「三条鍛冶道場」(同市元町)の門をたたいた。挑戦するのはくぎを打ち伸ばしてのペーパーナイフ作り。1500度の炉で熱し、オレンジ色になったくぎを何度も金づちでたたき薄くする。遠藤さんは、火花を散らしながらカンカンといい音を響かせるが、同道場管理人・髙橋隆さん(71)から、「リズミカルに、同じ場所をたたいて」と指導が入る。

「あっちゃこっちゃ行かないで、同じ所をたたいて」と指導され、真剣な表情で熱したくぎを伸ばす遠藤麻理さん=三条鍛冶道場

「あっちゃこっちゃ行かないで、同じ所をたたいて」と指導され、真剣な表情で熱したくぎを伸ばす遠藤麻理さん=三条鍛冶道場

 「腕が筋肉痛になりそう」と言いながらも装飾や研磨をこなし、50分ほどで仕上げると「超かっこいい」と大満足。「たたくのは力仕事だけど、すっきりした。憎たらしい人がいる人にはお勧め」とにやりと笑った後、「髙橋さんの『たたくほど鉄は強くなる』という言葉が印象的。人も同じですね」としみじみ語った。

完成したペーパーナイフ。ねじった持ち手の装飾もおしゃれだ

完成したペーパーナイフ。ねじった持ち手の装飾もおしゃれだ

保内三王山古墳群

 次に訪れたのは、同市の保内三王山古墳群。「古墳に立つとすーっとする」という遠藤さんたっての希望だ。1500~1600年前に造られた前方後円墳など17の古墳群から成り、昨秋散策路が整備されたばかりだ。

 市生涯学習課文化財係の名古屋美句さん(31)の案内で山へ入る。三条は五十嵐川で会津につながる交流の場として重要視されていたといい、名古屋さんは「長い間、代々墓を造る力を持った豪族がいたことを示している」と解説する。

 全長38mの前方後円墳の、人工的な円形は今見ても明らか。現在は竹林により視界が遮られているが、蒲原平野を見下ろす斜面に造られている。調査で年代の違う木棺の跡が二つ見つかったとの話を聞き、遠藤さんは「親が入ってその後、子が入ったのかなあ、とか考えると興味深い」と古代に思いをはせる。「古墳は、昔の人が『ここがいい!』と造ったはず。すごく良い場所にあるんですよ」と力を込め、「やっぱり、すーっとするなあ」と深呼吸した。

保内三王山古墳群の散策路を歩き、「なぜここに古墳を造ったのか、納得できる気がする」と話す遠藤麻理さん=三条市

保内三王山古墳群の散策路を歩き、「なぜここに古墳を造ったのか、納得できる気がする」と話す遠藤麻理さん=三条市

杭州飯店

 体を動かした後は県央グルメを。「杭州飯店の燕ラーメンがいいな」と遠藤さん。背脂ラーメンが有名で、燕三条エフエム時代に上司によく連れて行ってもらった思い出の店だ。

 いつもラーメンを食べていたが、改めてメニューを見て「カレーラーメンなんてあるんだ」と初挑戦。「スープとカレーがすごく合う。脂がマイルドになる気がする」と目を丸くした。

 カレーは同店のスープがベース。徐直幸社長(50)は「カレーラーメンは祖父の代からある。すごく出るわけではないが、こればかり頼む固定ファンもいる」と話す。

 徐さんは「麻理さんのラジオは、いい意味でおしゃれじゃないところがいいね。頑張ってほしい」とエールを送った。

杭州飯店(燕市)では

杭州飯店(燕市)では"変化球"といえるカレーラーメン。固定ファンがいるおいしさだ

【動画】 エンマリ・にんまり・街ぶらり <1> 三条・燕(上)

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