「未来のチカラ in 県央」を盛り上げに駆けつけたラジオパーソナリティーの遠藤麻理さんは、1995年に弥彦観光駅長に就任し、弥彦村の魅力発信に努めた。お薦めのスポットを尋ねると「湯神社、いいんですよ」とポツリ。
湯神社は、弥彦神社の境外末社で、温泉発祥の地と伝わる。今年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、春の恒例行事「湯かけまつり」では、湯神社近くの井戸からくみ上げた「神湯」を観光客に振りかける。
湯神社参道の案内板に導かれ、新緑もえる道を歩く。山中にいくつも鳥居が続く光景に、異次元感と神聖さが増すが、ゴールはなかなか見えない。「こんなに遠かったっけ」と息を切らし遠藤さんがつぶやいた。
弥彦駅から歩くこと約20分、湯神社は野趣あふれる山中にひっそり立っていた。近くには茶屋の跡も。営業していた頃は、大勢の参拝者でにぎわったという。
この日は神社に神職がおり、お守りなどが並べられていた。遠藤さんはおみくじを引き「大吉だ! 歩いたかいがあった」と破顔。今年は何回引いても大吉が出なかったそうで、喜びもひとしおだった。
山中に鳥居が続く湯神社への道。「新緑が気持ちいい」と遠藤麻理さん=弥彦村
一汗かいた後は栄養補給だ。弥彦駅から5分の、直売所やフードコートが集まる「おもてなし広場」へ。2018年に整備され、弥彦の新たな観光拠点となっている。
3月末にリニューアルオープンしたばかりの菓子店「弥彦スイーツ」で、「からふる団子」を注文した。その名の通り、ムラサキイモや梅、栗など色とりどりのあんが乗ったインスタ映えする串団子に、遠藤さんは「こんなの見たことない」と目を丸くした。
同店社長の渡邉奈美子さん(41)は「ずんだなど、地場の素材を積極的に取り入れ、季節に応じてあんを変えたい」と意欲を見せる。遠藤さんが食べたお団子にも、弥彦産の越後姫が乗っていた。
同店で頼まれて色紙にサインした遠藤さん。お団子のイラストとともに「からふる団子大好き」と書こうと、「カラ」とついカタカナで始めてしまった。間違いに気付き即座に「カラスも好きだけど、からふる団子も大好き」と機転を利かせにんまり。店から出ると犬散歩の男性に「いつも聞いてます。頑張ってください」と声をかけられ、「ありがとうございます」と晴れやかな笑顔を見せた。
「かわいいですねえ」とおもてなし広場の「弥彦スイーツ」でからふる団子を選ぶ遠藤麻理さん=弥彦村