第5弾 県央

エンマリ・にんまり・街ぶらり
新潟日報 2021/05/22

<4> 加茂・田上 店主の個性、遊び心が魅力 Tシャツ・料理創意工夫

加茂・商店街→道の駅たがみ→湯田上温泉

加茂・商店街

 ラジオパーソナリティーの遠藤麻理さんの県央街歩き、最終回は小京都・加茂とタケノコの里・田上を巡った。

 まずは加茂市の商店街にある、ボーダー柄のカットソーで知られるアパレルメーカー「G.F.G.S.」を訪ねた。同社社長の小栁雄一郎さん(54)は、遠藤さんのラジオに出演したことがあり顔なじみ。オーダーメードTシャツに挑戦したいという遠藤さんを前に、「斬新なやつを着せたい」とにやりと笑う。

 タブレットでボーダーの太さや色、生地の素材を選ぶ遠藤さん。廃棄食品を使った染料やペットボトルを再生した生地など、持続可能な社会を意識したラインアップに、「かっこいい。でも迷う」。結局実物のサンプルを見て「太いボーダーにする!」と即決。廃棄食品を使った優しい2色の長袖Tシャツを発注した。

 同社の作業場を分ける透明な仕切りには英パンクバンドの歌詞がプリントされる。30代後半で起業したという小栁さんは「若者によく独立の相談を受けるが、やろうと思ったときに始めればいい。焦る必要はない」と、パンク的スピリットを説く。ボーダーTシャツを試着した遠藤さんと並び、「見た目爽やか、でもドス黒い2人です!」とポーズを決めた。

ボーダーTシャツ姿で「G.F.G.S.」の小栁雄一郎社長(左)とペアルックになった遠藤麻理さん=加茂市

ボーダーTシャツ姿で「G.F.G.S.」の小栁雄一郎社長(左)とペアルックになった遠藤麻理さん=加茂市

 昼食は加茂駅前のレトロな洋食喫茶「ピノキオ」の海の幸スパグラ。スパゲティ・グラタンの略だ。遠藤さんは一口食べ「ホワイトソースがおいしい。パスタと合う」と絶賛した。

 店主の真柄誠さん(76)によると、開店して間もない45年ほど前、客の学生が当時高価だったマカロニグラタンを「腹いっぱい食べたい」と言ったのを受けて、パスタを代用し作ったのが始まりという。「時代を見ながら創意工夫を重ね、ようやく満足いく味になった」と笑う。

 ここ数年はSNSで評判となり、遠方から来客も。店外にできた行列に、遠藤さんは「すごい人気」と目を丸くしていた。

「ピノキオ」の海の幸スパグラ

「ピノキオ」の海の幸スパグラ

道の駅たがみ

 田上町では、昨秋オープンした「道の駅たがみ」へ。春が旬の同町特産のタケノコを探すが見当たらない。「開店から10分で完売です」と駅長の馬場大輔さん(42)。驚く遠藤さんを「ほかにもおいしいものがたくさんあるんですよ」と案内した。

道の駅たがみで人気の梅ソフト

道の駅たがみで人気の梅ソフト

 まずは同町の護摩堂山のアジサイみたいにカラフルな「あじさい饅頭」。遠藤さんは「3色ある。かわいい」と顔をほころばせる。馬場さんは「地元の菓子店が、保存料を使わず真面目に作っています」と胸を張る。梅も同町の特産。緑色が目を引く人気の「梅ソフト」にも、舌鼓を打った。

湯田上温泉

 タケノコを諦めきれず向かったのは、湯田上温泉「ホテル小柳」。昨年、巣ごもり需要に合わせて提供した「筍(たけのこ)弁当」と「筍オードブル」が今年も好評だ=今季販売終了=。卵焼きやごまあえ、洋風のベーコン炒めなど、タケノコ尽くしの弁当をお土産に求めた。若おかみの野澤奈央さん(46)は「ここまでタケノコ料理の種類をそろえるのは、ほかに見ないと思います」と話す。

 遠藤さんは「お酒に合いそう」とにこにこ。野澤さんも「間違いないです」と太鼓判。「お互い、いける口ですね」と意気投合した。

タケノコ尽くしの料理について、若おかみの野澤奈央さん(右)から説明を受けた=田上町のホテル小柳

タケノコ尽くしの料理について、若おかみの野澤奈央さん(右)から説明を受けた=田上町のホテル小柳

 最後は田上の人気ジェラート店「ジェラテリアSorriso(ソリッソ)」へ。素材や生乳にこだわったジェラートが並ぶ中、遠藤さんは越後姫を使った1品を注文。この日、二つ目の冷たいおやつを完食し「おいしかった。おなかは強いので」とVサインを見せた。

【動画】 エンマリ・にんまり・街ぶらり <4> 加茂・田上

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