第1弾 上越地域

おじゃましますカルチャースクール

新潟日報 2019/05/17

サンドアート作り 癒やされる層の色合い

 「砂は容器の内面に添って、スプーンで山を盛るように入れると自然な波模様になります」と、講師の藤井寛子さん(35)がアドバイスする。参加者たちは、好みの3色の砂をグラスに丁寧に注いでいった。

 5月21日、透明な容器に色の付いた砂を交互に重ね入れ、模様を楽しむ「サンドアート」作りに挑戦した。手先が不器用で、砂の層が平坦な模様にしかならず苦戦する。つい、スプーンを使わず砂の入ったカップから直接グラスの中にざーっと流し込んでいると、参加者たちに「荒技ですね」と指摘された。思わず笑って腕が震えたためか、案外強弱のある線が描けた。砂を透明なろうで固め、ドライフラワーを飾って完成。

 藤井さんいわく、「どんな形も個性。考えすぎず無心で作った方がきれいにできますよ」。グラスの底から徐々に重なり見えてくる砂の層の色合いに、作りながら癒やされた。(石口あさひ)

好きな色の砂やドライフラワーでグラスを彩るサンドアート

日本酒講座 杜氏が解説 奥深さ知る

 各席のおちょこやグラスには次々と地酒が注がれ、その酒を造った杜氏とうじが目の前で解説する。おつまみもあり、夕暮れ時に何ともぜいたくな時間が始まった。

 5月9日の講座には2人の杜氏が出席。君の井酒造(妙高市)の早津宏さん(62)が「上越の冬の気候のような透明感を酒で出したい」と語れば、頚城酒造(上越市柿崎区)の吉崎司さん(41)は「酒造りはコメ農家のおかげ。文化として伝えることで若い人にも飲んでほしい」。聞けば聞くほど酒の味わいも深くなっていく。

 後半は12人の受講者も一緒になり、日本酒業界の将来について語り合った。講師を務めた「まいどや酒店」の杉田彰さん(59)が最後にまとめる。「杜氏と触れ合えるのも地酒の良さ。お客さんも含めて一体となり、日本酒を育てていけたらいい」。その言葉に心からうなずいた。(栗原淳司)

杜氏の話に耳を傾けながら清酒を味わった日本酒講座

歴史講話 城下町のにぎわい思う

 江戸時代の上越市は日本海側の要だった-。5月9日に開かれた歴史講話「城下町高田の人々と小町問屋」。講師を務めた市立歴史博物館副館長の花岡公貴さんが「高田は越後の都として生まれた。徳川家康が天下取りの仕上げに、息子を領主とする大きな城を造った」と話すと、参加者16人が「へえー」と声を漏らした。

 高田城下には長野と北陸を結ぶ街道の接続点もあった。「信州の商人との取引の場を設ける信州問屋があり、流通のポンプ役を果たした。当時は多くの商人や荷を運ぶ牛馬でにぎわっていた」と聞き、思わず表の町並みに目をやった。

 また、江戸時代には町家の数が年々増えていったようだ。「町人は住む範囲が決まっており、町家を縦に切り分けた。これにより、細長い町家が連なる景観ができた」という。配布された古地図を手に、城下町の面影をたどりたくなった。(鷲頭泰子)

城下町高田の成り立ちについて学んだ歴史講話

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