「大盛り」「デカ盛り」のまちと呼ばれるほど、盛りが良い飲食店が多いことで知られる柏崎市。皿からあふれるカツカレー、分厚いチャーシューが載った特製ラーメンなど、愛情がこもった各店自慢の大盛りメニューに、新潟市出身・在住の大食いタレント、おごせ綾さんが挑戦した。果たして食べっぷりやいかに-。
<おごせ・あや> 新潟市出身、在住。子どものころから芸能活動に興味があり、本県のご当地アイドル「エンジェルジェネレーション」で活動した。大食いアイドル、もえのあずきさんに憧れて参加したテレビ番組の大食い大会で、初出場ながら準々決勝に進出。以来、大食いタレントとして県内を拠点に活動している。2018年7月に開設したユーチューブチャンネルの登録者は10万人超。好物は背脂ラーメン。
萬来のカツカレー大盛りをおいしそうに食べ進める大食いタレントのおごせ綾さん=柏崎市半田1
「デカ盛りのまち柏崎」を語る上で外せない一品が、
総重量は3キロ超で、過去に普通盛りを完食できた人しか注文できない。数々の大盛りメニューを制覇してきたおごせさんも「断言してもいいくらい、カツカレーとしては県内では圧倒的な存在」と証言する。
過去に2度、萬来のカツカレー大盛りを完食したというおごせさん。だが今回、目の前に運ばれてきた一皿を見て思わず声を上げた。「前よりさらにパワーアップしてないですか?」
ルーが皿からあふれ出す萬来のカツカレー大盛り。高さは20cm弱で、柏崎市のPRキャラクター「えちゴン」のぬいぐるみ(座高約13cm)と比べると大きさが際立つ
萬来は1973年創業。東京の中華料理店で修業した若井隼人さん(77)、妻アツ子さん(72)が経営する。
盛りが良くなったのは創業から1年半がたったころ、隼人さんが入院したことがきっかけだった。急きょ店を任されたアツ子さんが「料理の腕が父ちゃんに及ばない分をカバーしよう」と独断で増量した。
「お客さんからは、商売にならないから徐々に量を減らしたらと言われるけど、私の性分として一度増やしたものは戻せないの」。アツ子さんは笑う。
今回運ばれてきたカツカレーの“標高”を測ると20センチ弱。おごせさんが前回に完食した時よりも明らかに増えているという。
いざ実食。「んー、おいしい! 野菜がたっぷり溶け込んでて、濃厚で固めのルーがすごく好き」。おごせさんの笑顔がはじける。
続いてトンカツを一口。「こんなに厚かったかな」と苦笑いしつつ、「ガリガリの厚い衣にカレーが染みてて、肉も軟らかい。もう最高!」。
萬来の自慢は量だけではない。タマネギ、豚肉が入るカレーは3~4時間かけて煮込み、冷蔵庫で寝かせてから提供する。
材料は全て国産で、肉も9割以上が県産だ。「自分の目で見て、納得したものしか使っていないよ」。隼人さんがこだわりを語る。
カツカレー用の豚肩ロース肉を切る若井アツ子さん。約20分かけて揚げたカツは驚くほど柔らかい
食べ始めから30分以上たっても、おごせさんのスプーンは止まらない。「このカレーは飽きないですね」。登頂不可能とも思えた山が、見る見るうちに低くなっていく。
皿の底が見えた最終盤、おごせさんが思わぬ行動に出た。「そのカツ、もらってもいいですか」。撮影用に別皿で用意されたカツを2切れ追加。勢いそのままにラストスパートし、一気に食べ終えた。
最後のカツ一切れをパクリ。3キロ超とされる一皿を約50分で完食した
所要時間は約50分。「今回はかなりヘビーだったけれど、カツをもらってから余計に進みました。腹六分目くらいですね」と涼しい顔で語った。
挑戦を見守ったアツ子さんは「きれいに食べてくれると気持ちいいよ」。隼人さんも「男性の『大丈夫』は当てにならないけど、女性は100パーセント完食するね」と驚嘆した。
「盛りの良さって、地域やお店の方の人柄の良さの現れだと思う。萬来のお母さんの優しさをあふれるほど味わいました」。おごせさんは笑顔で振り返った。
完食後、萬来の若井隼人さん(左)、アツ子さん(右)夫妻と記念撮影するおごせさん
萬来
住所:柏崎市半田1-8-36
電話:0257-24-1337
営業時間:11:30~15:00、17:00~21:00
休み:火曜
カツカレーは大盛り1500円、普通盛り1200円、小盛り1150円
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