第3弾 長岡・見附・小千谷

[未来のチカラ in 長岡・見附・小千谷]

中澤卓也さんと着て見て巡る

 新潟日報社が7月から展開している地域支援プロジェクト「未来のチカラ in 長岡・見附・小千谷」の一環として、長岡市出身の演歌歌手、中澤卓也さん(24)に3市を巡ってもらった。見附のニット製品や小千谷縮を着て、長岡の歴史や文化を伝える施設を見学。伝統を受け継ぎながら進化を続けるまちの魅力を再発見した。旅の様子を5回にわたって紹介する。オンリーワンの技術を駆使し、こだわりのものづくりを誇る見附からスタート。

<1> 見附編

ファッションにニット取り入れたい

高い品質、技術に驚き 軽さ、肌触りを現場で実感

新潟日報 2020/08/25

 「信じられないくらい軽い」。市内の業界最大手、第一ニットマーケティング(柳橋町)の工場でサンプル品の中から中澤さんが手に取ったジャケットは、同社が得意とする薄くて軽い「ハイゲージ」の製品だ。私服でも衣装でもニットにはなじみがなく、率直な驚きだった。

 「モノトーンのファッションが好き」という中澤さんは、白いTシャツと、裾が絞ってある黒のパンツ姿で工場に現れた。提供されたブルーのサマーセーターに着替え、「ニットは秋冬のイメージが強いから、半袖というのは新鮮ですね」と声を弾ませた。

 新型コロナウイルス感染防止のため、夏用のニット製マスクを着けて工場見学の始まりだ。

 眼前には372平方メートルのスペースを埋め尽くす約150台の編み機。圧巻の光景に「わー、すげえっ」とつぶやいた。外では夏の日差しが降り注ぐ中、編み機は秋物セーターなどの製造に追われていた。

 案内役の加藤寿脩さん(52)が「1インチ(2.54センチ)の間に何本針があるかを示すのがゲージ。14本以上がハイゲージと呼ばれ、編み地が薄手になる」と説明。国内で同社にしかない編み機「FF30」は針数30本の究極のハイゲージ機で、伸縮性が抜群の製品を生み出すという。

 耳を傾けていた中澤さんは、手渡されたサンプルの服を引っ張りながら「本当だ。着たら動くのが楽でしょうね」と興味を示した。

 縫製、検品、仕上げなどの部門が集まり、約130人が働くフロアに移動し、作業工程の見学は終了。「製品ごとにミシンの配置を換え、検品では少しの汚れも見逃さず不良品にする。クオリティーの高いものづくりを実践していることを初めて知った」と、しきりに感心していた。

第一ニットの工場を見学する中澤卓也さん(左)。縫製作業のスムーズな流れに感心していた=見附市柳橋町

第一ニットの工場を見学する中澤卓也さん(左)。縫製作業のスムーズな流れに感心していた=見附市柳橋町

アウトレット店で試着

 第一ニットのアウトレット店「プリメイラ」では、高品質でお買い得なニット製品をじっくりと眺めた。同社からFF30で編んだ黒いコットン製の秋物セーターをプレゼントされ、試着した。「着心地がとてもいい」と笑顔をのぞかせた。

 「本当に気に入った」との言葉通り、財布を取り出してグレーと白のセーターを、それぞれ約1万7000円で購入した。「シンプルでシルエットがきれいなのが一番いいですよね。自分のファッションにもニットを取り入れたい」

 ニット製品ではないが、同社と見附市などが共同開発したクールビズシャツなども着てみた。同社が生地のデザインを織物会社に提案していると知り、「水玉模様が涼しそう」などと興味を示した。

 ニット製品を長く愛用するこつとして、洗濯して乾かす際、半乾きでアイロンがけするといいとアドバイスされた。「洗濯は自分でしますけど、アイロンまでは…」と苦笑した。

試着を勧められ、クールビズシャツを吟味した=アウトレット店「プリメイラ」

試着を勧められ、クールビズシャツを吟味した=アウトレット店「プリメイラ」

“全国区”の名物味わう

アンテナショップでミルクヨーカンを頰張り「うまい」と絶賛、完食した=見附市学校町1

アンテナショップでミルクヨーカンを頰張り「うまい」と絶賛、完食した=見附市学校町1

 見附の特産品のアンテナショップ「みらい市場」(学校町1)では、野菜、和菓子などを見て回った。冷蔵庫の前で視線を止めた先に、諏訪乳業製造のミルクヨーカンがあった。「東京に出てからテレビ番組で見た。見附で一番有名じゃないですか」と声を上げた。

 たっぷりの牛乳を寒天で固めた素朴な味を、初めて体験した。「うまい。牛乳を飲んだ後のミルク感が残りますね」と絶賛。「中学時代は給食係で、余った牛乳を飲んでいました」と牛乳好きのエピソードも披露した。

【動画】 中澤卓也さんと着て見て巡る(見附編)

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