金銀山で知られる佐渡市相川地区。RYUTistのメンバー、宇野
まず向かったのは約3kmの海岸に広がる景勝地、尖閣湾。尖閣湾揚島遊園では、展望台から見える切り立った崖が連なる絶景に「きれい」と息をのんだ。グラスボートでは、透明度の高い海や海底に広がる岩礁の造形美に目を輝かせた。
ガイドの池善世さん(左)から尖閣湾の説明を受ける宇野友恵さん(右)と横山実郁さん=佐渡市北狄
「弁慶のはさみ岩」で有名な吹上海岸では、目玉模様の付いた石を見つけた。約1800万年前の火山活動でできた
(左)吹上海岸の「弁慶のはさみ岩」。「佐渡弁慶」と呼ばれた島一番の力持ちが投げたと伝わるが、実際は江戸時代に岩を切り出した際に落としてしまい、挟まったという。手前から宇野友恵さん、横山実郁さん
(右)溶岩が急激に冷やされた際にできる気泡に、石英と同じ成分が集まり目玉模様ができた球顆流紋岩
続いて山あいの水田へと足を延ばす。湧き水や雨をためた池には、昆虫や鳥などさまざまな生き物が生態系をつくっている。
「昔から山あいに暮らす人々がこうしたため池を造り、水田に水を引いている。島民の日々の暮らしが佐渡の多様な生態系につながり、トキが羽ばたく景色を見ることができる」とジオパークガイド協会会長の池 善世さん(70)。宇野さんは「佐渡で暮らす一人一人の生活が佐渡の豊かな自然と深く関わっているんですね」と眼下に広がる水田を眺めた。
水生昆虫などが多様な生態系をつくる山あいのため池。ここから水を引いた水田にトキが舞い降りる=佐渡市相川大浦
さまざまな奇岩がダイナミックな景色をつくる二見半島へとやって来た2人。池さんは佐渡の海岸に大量の漂着ごみが流れ着いている現状を説明した。その大半がプラスチック製品で、大きなごみだけでなく、化粧品などに含まれる微細なプラスチックも大量に流れ込み、世界的な海洋汚染の原因になっているという。池さんは「ジオパークには自然の美しさや大地の壮大さだけでなく、どのように未来に素晴らしい景色を残していくかを伝える役割がある」と語った。
最後は長手岬へ。旅を振り返って横山さんは「ジオパークを巡ることで、私たちの生活が自然と深く関係していると実感できた」と雄大な夕日を見つめた。
七浦海岸の名勝・夫婦岩をバックに、ミネラル豊富な佐渡の塩を使って作られたソフトクリームを頰張る宇野友恵さん(右)と横山実郁さん=佐渡市高瀬
雄大な夕日が映える七浦海岸の長手岬。2000万年前は海底で、地震などの海底活動により徐々に隆起した=佐渡市橘
◆動画投稿サイト「ユーチューブ」の「未来のチカラチャンネル」では、RYUTistの佐渡ジオパークの旅が動画で見られます。