第7弾 佐渡

RYUTist@ジオパーク

<3> 西三川地域

地蔵に宿る石工の文化 石切場 迫力の断面に感動

新潟日報 2021/10/23

 アイドルグループRYUTistの五十嵐夢羽むうさん(20)、佐藤乃々子ののこさん(25)が今回魅力を探るのは、佐渡市の西部に位置する西三川地域。大昔の火山活動の影響が色濃く残る地域だ。

 真野地区の中心部から国道350号を南へ向かうと、海岸に不思議な形の岩が見えてきた。その名も「人面岩」。人が上を向いた時の横顔に見えることからそう呼ばれている。「ダンディーな横顔でしょ」。佐渡ジオパークガイドの祝 雅子さん(64)が解説してくれた。大昔の火山活動によって形成された溶岩が割れてできたという。

 人面岩はイケメンに見えるかな。「彫りが深い顔ですね」と笑顔の2人は、人面岩と同じポーズで記念撮影した。

  人面岩と同じポーズで“スリーショット”に納まる佐藤乃々子さん(左)、五十嵐夢羽さん=佐渡市背合

人面岩と同じポーズで“スリーショット”に納まる佐藤乃々子さん(左)、五十嵐夢羽さん=佐渡市背合

 次に向かったのは。たくさんの石仏が並ぶ岩本山。「全て西を向いている。西の極楽浄土に行けるようにとの思いが込められているんです」(祝さん)。近くには「六地蔵・七観音」と呼ばれる石仏が納められたお堂もある。

西を向いて並ぶ「岩本山の石仏」。椿尾地区で切り出した石で作られたとみられる。ガイドの祝雅子さん(左)は「火山活動による贈り物とも言えますね」と解説する=佐渡市椿尾地区

西を向いて並ぶ「岩本山の石仏」。椿尾地区で切り出した石で作られたとみられる。ガイドの祝 雅子さん(左)は「火山活動による贈り物とも言えますね」と解説する=佐渡市椿尾地区

 岩本山などがある椿尾地区は、噴出した火山岩などで形成されている。この辺りで産出される「真珠岩質デイサイト」は、比較的軟らかく加工しやすい岩石のため、椿尾地区では石仏作りが盛んだった。石の特徴を反映してか、佐渡の石仏は表情が柔らかく、島外でも人気があったという。五十嵐さんはかみしめるように話す。「石工の文化を令和の時代でもこうして見られるのはすごい」

「みんな表情が違うね」と話しながら、地蔵や観音像に見入る佐藤乃々子さん(手前)と五十嵐夢羽さん=佐渡市椿尾地区

「みんな表情が違うね」と話しながら、地蔵や観音像に見入る佐藤乃々子さん(手前)と五十嵐夢羽さん=佐渡市椿尾地区

 その石はどこから切り出されたのだろう。2人は、椿尾の石切場と呼ばれるエリアに足を踏み入れた。荒々しい岩肌に囲まれ、神秘的な雰囲気が漂う。江戸時代から大正時代くらいまでが最盛期で、ここで石が切り出され、加工も行われたという。「迫力がある断面。本当に人の手で切り出されたんだなと分かって感動した」。佐藤さんはしみじみと語った。

かつて多くの石が切り出された「椿尾の石切場」。人の手で刻まれた直線的な荒々しい岩肌が印象的。左からガイドの祝雅子さん、佐藤乃々子さん、五十嵐夢羽さん=佐渡市椿尾地区

かつて多くの石が切り出された「椿尾の石切場」。人の手で刻まれた直線的な荒々しい岩肌が印象的。左からガイドの祝 雅子さん、佐藤乃々子さん、五十嵐夢羽さん=佐渡市椿尾地区

 近くにはベーカリーカフェ「しまふうみ」もあり、真野湾を眺めながら西三川産のリンゴを使ったジュースなどを楽しんだ2人。「自然のパワーを感じた」という西三川の旅だった。

広大な真野湾を前にベーカリーカフェ「しまふうみ」でリンゴジュースを味わう佐藤乃々子さん(左)、五十嵐夢羽さん=佐渡市大小

広大な真野湾を前にベーカリーカフェ「しまふうみ」でリンゴジュースを味わう佐藤乃々子さん(左)、五十嵐夢羽さん=佐渡市大小

◆動画投稿サイト「ユーチューブ」の「未来のチカラチャンネル」では、RYUTistの佐渡ジオパークの旅が動画で見られます。

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