町全体がジオパークに認定された津南町。ニュー・グリーンピア津南スキー場の上、標高850メートルの「谷の展望台」に立つ。眼下には、溶岩が固まった柱状節理の岩壁「石
「津南の見どころが一望でき、パノラマの絶景」。苗場山麓ジオパーク振興協議会で事務局を務める町職員、佐藤信之さん(40)はここの風景を絶賛する。「景色を眺めているだけで時間を忘れてしまう」と声を弾ませる。
「谷の展望台」を案内する佐藤信之さん。縄文時代から地形の大きな変化はなく「縄文人が見ていた景色と一緒なんですよ」と語る=津南町
同町内には、ほか3カ所に展望施設が整備され、大地の成り立ちが一目で確認できるという。
ジオパークは直訳すると「大地の公園」。苗場山の北西に位置する同町と長野県栄村は2014年、日本ジオパークに認定された。
地形・地質に加え、生態系、豪雪地帯の歴史・文化の三つの要素で構成される。「縄文時代から脈々と受け継がれてきた地域の暮らしや魅力を、ジオパークを通して包括的に知ることもできる」と意義を語る。
東京都出身。大学で考古学を学んだ。2005年から農と縄文の体験実習館「なじょもん」に勤務する。文化財専門員として遺跡の発掘調査にも関わる。
絶景スポットだけではない。岩壁の隙間から冷たい風が流れ出す「風穴」や、雪解け水が湧く池「竜ケ窪」などが、夏のおすすめのスポットという。「実際に訪れてもらうのが楽しむこつ。本物の自然を体感してほしい」と笑顔をみせた。
ジオパークの拠点施設「なじょもん」。ジオラマの展示やモデルコースが記されたサイトマップを配布。アンギン編みや勾玉(まがたま)作りなど様々な体験も行える
苗場山麓ジオパークでは、養成講座や認定試験を経た公認の地元ガイドが70人登録されている。ガイドの料金(目安)は半日6000円、1日8000円。問い合わせ、ガイドの依頼(2週間前まで)は、津南町観光協会、025-765-5585。