南魚沼市黒土新田の民家1階にある小さな醸造所。「ストレンジブルーイング」の名前で高品質なクラフトビールを製造している。広さ約30平方メートルの店舗兼工場では、工場代表を務める佐藤雅史さん(45)ら2人が働く。
「新鮮な酵母を自社培養し、クオリティの高いビール作りを目指す」と語る佐藤さん=南魚沼市黒土新田
ストレンジブルーイングは2014年、ビール造りを開始した。黒土新田の出身で、東京・両国にビアパブ「
都内で働いていた佐藤さんはポパイの客で、青木さんから醸造所運営を打診された。妻が魚沼市出身でもあったことから、勤めていた会社を辞め、立ち上げから関わっている。
佐藤さんは「うまいビール造りの決め手は酵母だ」と強調する。味わい深いクラフトビールを醸造するため、10種類以上の自家培養酵母を使う。国内のクラフトビールメーカーで、自家培養酵母を使って醸造している社は10社程度しかないという。
自家培養した酵母だけに新鮮なものだ。佐藤さんは「高い品質の酵母を、醸造ごとに使っている」と胸を張る。香り付けには、目の前の畑で栽培したホップも使う。
味わい深いペールエールや香りと苦みが強いIPA(インディア・ペールエール)が主力商品。また清酒蔵の
ストレンジブルーイングの主力銘柄
1994年に政府の規制緩和策で製造解禁となった地ビール。当初は、次々と醸造所が登場したが、ブームは長くは続かなかった。
近年、クラフトビールは静かな人気を呼ぶ。魚沼エリアでも醸造所が増えつつある。ファン拡大を狙い、佐藤さんが中心となり毎年、北越急行でビール列車を走らせるイベントを開く。
佐藤さんは「かつてのブームがすぐに下火になったのは、品質に問題があったから。醸造所が増え、
(長岡支社・藤井直人)
ストレンジブルーイング 「麦酒倶楽部ポパイ」の運営会社「シンポ企画」の工場として2014年に醸造開始。城戸弘隆社長。南魚沼市黒土新田79-5。025-775-7333。