第1弾 上越地域

気ままに道めぐり

<5> 国道18号の旅 ~妙高編~

雪形神秘的な妙高山 自慢のたけのこ汁に舌鼓

新潟日報 2019/06/18

 この地域で一番すがすがしい季節になった。妙高市の関山駅から関山神社へ向かう。県道と国道18号の関山交差点から妙高山を仰ぎ見る。取材で訪れた日にはガスがかかって、山頂を拝めなかったのが残念だ。

 関山神社を案内してくれたのは「妙高(関山)の文化財を語る会」会長の川上昭治さん(71)と会員の小栗康雄さん(47)。同会はボランティアガイドとして、観光客に関山神社の歴史と魅力を伝えている。

「妙高(関山)の文化財を語る会」のメンバー

 「秀峰妙高山は現在、はね馬の雪形で知られていますが、江戸時代は山の文字の方が有名でした」と川上さん。晴れていれば、山頂にくっきりと山の文字が-。信仰の対象になった神秘さがよく分かる。

妙高山にくっきりと「山」の雪形

 関山神社を駆け足で案内してもらった後は、国道18号を妙高山麓直売センター「とまと」へ。採れたての山菜、野菜、コシヒカリ、地酒にトマトジュース、笹もちなどが並ぶ。真剣な表情でネマガリタケを選んでいたのは長野市から来た男性(46)。「大学生の娘が東京から帰ってきて、たけのこ汁が食べたいとリクエストされて。太くて立派なのがあって、ここまで来てよかった」と教えてくれた。

とまとの食事処スタッフ

「とまと」で買い物をする親子連れ

 この時季おいしいのが、そのネマガリタケのみそ汁、郷土自慢の味だ。各家庭、お店によってレシピが異なる。具材はタケノコ、タマネギ、ジャガイモ、卵が定番か。豚肉派にサバ缶派...。「都会の人はサバ缶の味を好まないので、うちの旅館はサケ缶」という話を聞いたこともある。だしも昆布だったりカツオだったり鶏肉だったり。味付けに酒粕を足したり。

 「たけのこ汁、食べにない」という言葉に甘えて、あるお宅に。4杯食べて、笹もちまでごちそうになった。

たけのこ汁と笹もち

 地元の妙高中学校では生徒自らタケノコを採って調理する伝統行事「竹の子狩り遠足」を今季も全校生徒が楽しんだ。

 7月13、14の土日には関山神社の例大祭「火祭り」がある。若者会に所属する男性が仮山伏の演武を披露する。若者会執行部の岡本健太郎さん(35)に聞くと「月末か7月初めから稽古します」とのことだった。また訪れてみたい。

「火祭り」仮山伏演武

(妙高編は本社報道部・山内一宏記者が担当します)

<ボランティアガイド>
原則として申し込みは10人以上から。ガイド料1団体1000円、資料代は1人100円。申し込みは希望日の2週間前までに、0255-86-3911。

<妙高山麓直売センターとまと>
妙高市坂口新田430-1。0255-82-2760。たけのこ汁は500円。9月末までは午前9時~午後6時。

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