[未来のチカラ in 県央]
「生まれ育った加茂の自然と調和した町並みが大好き。全てがちょうどいいんです」。加茂市の大学生児玉あんずさん(20)は目を輝かせる。学業の傍ら、開催中の雪椿まつりスタンプラリーのアンバサダーとして、市の魅力を発信するなど精力的に活動。「加茂に来たいと思ってくれる人を増やしたい」とやる気に満ちている。
新潟県立大(新潟市東区)の3年生。雪椿まつりの見どころをSNS(会員制交流サイト)でPRしているほか、同市を紹介する市の動画や県のウェブサイトに協力。市内の社会教育団体「ぷらかも♪」の一員で、子どもたち向けのオンラインイベントなどを行っている。
新潟市の大学生主体のグループ「新潟ベース」にも所属し、県内のご当地グルメを自宅に届け、作り手がオンラインで解説する「Gozzo(ごっつぉ)」(デルタ新潟主催)を企画運営するなど活動は多岐にわたる。
「地域と関わるようになった原点で、加茂と向き合った1年だった」と振り返るのが、2019年度ミス雪椿に就任したこと。各種イベントで盛り上げ役を担い、幅広い年代の人と話すことができた。一方、同年代の参加者が少なく、「何もない町」「田舎だから」という声が気になった。もともと地域に貢献したいという思いはあったが、「同じ世代の人にも、加茂のいいところに気付いてほしい」との気持ちを強くした。
市中心部を加茂川がゆったりと流れ、上流には雄大な粟ケ岳がそびえる。両岸には、商店街や家屋が並び、人々の暮らしが息づく。児玉さんは「北越の小京都」と呼ばれる風情ある景観が、加茂市の一番の魅力と考える。「大きな観光地ではないけれど、その分人混みもない。小旅行にぴったりな癒やされる土地」と語る。
もう一つ伝えたいのは、市名産の桐製品の魅力。2年前、2段の引き出しが付いた小袖たんすの製作を体験した。現在も家で愛用しており、「手に取って使って、職人の技を感じてほしい」と願う。
学業との両立で多忙な毎日だが、通学時、朝日に輝く加茂川に「今日も頑張ろう」と元気をもらう。バイト先のJR新潟駅ビル内の飲食店では、児玉さんの発案で加茂の日本酒を提供。県内外の客に地元の話をするのが、日常の楽しみだ。
市内の飲食店や菓子店とコラボした加茂版「ごっつぉ」や街歩きのモデルコースづくりなどやりたいことはたくさんある。「いろんな人の協力を得ながら、加茂を盛り上げていきたい」と夢を膨らませている。
SNSなどで加茂市の魅力をPRしている児玉あんずさん。加茂川に架かる橋からの景色が大好きだ=加茂市仲町
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