ネット情報を、新聞記事を基に確認している様子
確認した情報を説明し合っている様子
グループ協議後の発表の様子

 11月19日、魚沼市立広神中学校(小森一秀校長)で、NIEまとめの校内授業研修が実施されました。研究主題は、「『対話のある学び』の充実に向けた指導の工夫 ~NIE による思考力・判断力・表現力の向上を通して~」です。研究主任・NIE担当は、北村優介教諭です。

 指導者は、日本新聞協会から認定された新潟県NIEアドバイザーの燕市立燕中学校井上北斗教諭です。井上教諭は、広神中学校のNIE推進のために、これまでも校内研修にかかわってくださっていました。

 3年社会科公民分野「第3章 私たちの暮らしと民主政治 1節 民主政治と日本政治」の内容に基づき、北村優介教諭が「ネット情報の真偽を、新聞記事を用いて確認する」という授業を提案しました。

 授業の導入で、2つのX(旧Twitter)への投稿動画を生徒に見せました。1つは、「党首討論CM中にアナウンサーを恫喝する石破茂。これが日本の総理大臣です。」もう1つは、「これが新首相の初仕事か。『ワークライフバランスという言葉を捨てる』ことを国民に強要するな」です。

 生徒は、まず、これらの投稿をした人物がどのようなメッセージを伝えたいと考えられるかを記載し、Xへの投稿が、「事実である」か「事実ではない」かを新聞記事を基に考えました。前者を確かめる新聞記事には、党首討論全体の流れや、どのような文脈において「舐めない方がいい」という言葉が使われたかが説明されています。後者を確かめる新聞記事には、新総裁に選ばれた高市氏のあいさつ全文が掲載されています。

 生徒は、興味のある一方を選択して判断し、各自の判断を、根拠を明確にして、より多くの友達に分かりやすく説明するよう努力していました。

 協議会では、「本授業の手立ては目指すべき生徒の姿に迫るために有効であったか」についての鋭い議論が交わされた後、「NIE実践における今年度の成果と課題・来年度への展望」に関して、和気あいあいとした雰囲気の中で、活発かつ熱心に行われました。

 NIEアドバイザーの井上教諭は、新聞の特性や特徴を説明した上で、根拠に基づいて真偽を確かめ、立場を明確にして議論するという本実践を、新聞を分析ツールとして活用した「新たな実践」と大きく評価しました。そして、次年度に向けた取組内容や方法に関して、示唆に富んだ話をしてくださいました。

 気温が下がり、雪がちらつく中、広神中学校の、全職員によるNIEの積極的な推進を目の当たりにし、心が温かくなると共に、来年度の研究発表会が楽しみになりました。