<巻頭言>  新潟県NIEの誇り

新潟県新聞活用教育(NIE)推進協議会会長

伊 藤  充

 現在(2023年2月6日)、新潟県NIE推進協議会には1人のNIEマイスターと20人のNIEアドバイザー、10人のNIEリーダーが居る。NIEアドバイザーは新聞活用教育の指導者であり、NIEリーダーは新聞活用教育の中核的実践者である。新潟県のNIE推進には欠かせない存在である。

 彼らの共通点は、広い視野をもっていること、そして教材分析力に優れていることである。その多角的・多面的な分析と授業展開に驚かされることが多い。

 彼らの授業を思い起こす。新聞を使った授業であるから、教材として新聞記事を提示することになる。授業が進むにつれて、新聞記事から人が飛び出し、喜びや不安、幸福や苦悩、安寧や恐怖を語り始める。それは活動的で思索的な演劇に似ている。やがて、子どもたちもその演劇の俳優と化す。精一杯演じきった子どもたちは幕がはねた後、静かに舞台を降りて、それぞれの自分に戻るのである。

 1人のNIEマイスターと20人のNIEアドバイザー、10人のNIEリーダーは、新潟県NIE推進協議会の誇りである。今年も、彼らが推進したり指導したりした輝かしい実践研究の成果をお届けすることができることをうれしく思う。より多くの学校で、児童生徒の力を伸ばすための参考としていただきたい。

 最後に執筆いただいた実践研究委嘱校の先生方、温かいご支援をいただいた新潟県教育委員会、新潟市教育委員会、新潟県・新潟市小学校校教育研究会、新潟県中学校教育研究会、新潟県高等学校長協会、新潟県学校図書館協議会、新潟県高等学校文化連盟新聞専門部、新潟大学、上越教育大学、新潟青陵大学、日本新聞協会、朝日新聞社、読売新聞社、毎日新聞社、産経新聞社、日本経済新聞社、新潟日報社、共同通信社、時事通信社、日本教育公務員弘済会新潟支部、新潟県教職員厚生財団、新潟県学校教育用品株式会社に対して深く感謝申し上げる。

<実 践 報 告>  
     
2021・2022年度実践・研究委嘱校  
  〇前向きに学習に取り組む児童の育成   
    上越市立大潟町小学校
     
  〇じっくりと文章を読み、内容について自分の考えをもつ児童の育成
   〜読解力、読む意欲を高める工夫~ 燕市立大関小学校
     
  〇考えを伝え合い、学びを深める子どもの育成  
   ~「自分の考えをもつ、自分の考えを広げ深める学習活動」を通して~ 新潟市立白根小学校
     
  〇深い学びを実現する授業改善  
   ~「見方・考え方」を働かせた授業づくりを通して~ 小千谷市立小千谷中学校
     
  〇見方・考え方を働かせて深い学びが生まれる授業づくり  
  ~実社会の現実を自分事としてとらえ,多面的に考えることを促す工夫~ 新潟市立岩室中学校
     
  〇ICTを活用した次世代の人材育成  
   ~新聞記事を通して現代社会の論点を考え、発信力を高める~ 新潟第一高等学校
     
2022・2023年度実践・研究委嘱校  
  〇必要な情報を適切に活用し、友達と考えを伝え合いながら
 課題を解決していく授業づくり
 
    長岡市立越路小学校
     
  〇自ら課題を追究するこどもの育成  
   〜探究プロセスの入り口、出口となる新聞活用~ 胎内市立胎内小学校
     
  〇子どもの主体的な学びを育むNIE  
   ~新聞を活用した教育活動の充実~ 新潟市立松浜小学校
     
  〇情報活用能力を育む新聞活用の授業づくり  
   ~生徒の主体性を喚起し、深い学びが生まれる授業を目指して~ 柏崎市立南中学校
     
  〇社会に関心をもち、自分事としてとらえ、考えを表現する生徒
   ~地域学習・生き方学習における新聞活用~ 出雲崎町立出雲崎中学校
     
  〇ゆいプロジェクト  
   ~課題解決に向けた新聞活用の取り組み~ 新潟県立長岡向陵高等学校

 

 現在事務局では、4月初旬に県内小中高等学校・教育関係機関等に実践報告書が届くよう準備を進めています。ぜひ、ご覧いただきNIEはもとより、自校の授業改善の一助としていただけたら幸いです。