佐渡市立新穂中学校 小沼泰高校長先生

新聞教材の力強さ  
 開会式、基調講演、パネルディスカッションをライブで、授業実践をオンデマンドで視聴させていただきました。
 梯先生の戦争と新聞に関する基調講演を視聴して、生命の尊さに思いを馳せたからでしょうか、その後のオンデマンドでは、多数のコンテンツの中から生命の尊さを取り上げた札幌市立あやめ野中学校の道徳の授業を真っ先に視聴しました。
 教材は医学部志望の高校生が、大学病院で心臓移植手術を見学したり、ドナー待ちの小児患者とふれあったり、臓器提供を決断した家族の話を聞いたりする体験を取材した新聞記事でした。授業の視聴を通して、道徳の読み物資料としての新聞教材の力強さを実感しました。

上越市立三和中学校 熊木恵美子先生

社会を学ぶ窓口 
 札幌市立真駒内中学校の社会科の公開授業では、次の学びのステップにつながる新聞を活用した学習を進めていました。「北海道の観光業の持続可能な発展に向けて、必要なことは何だろう」という課題の下、【餌やり罰金】という新聞記事を通読し、「筆者の主張をどう思うか」「賛成か反対か」など生徒自らの判断する力が求められる授業を展開していました。決して表面的に新聞を扱うのではなく、身近な情報満載の新聞を「発展教材」として「問い返し」の場面等で扱うことで問題解決型学習を充実させるための活用でした。
 新聞は、タイムリーに社会を学ぶ窓口となり、「どのように社会と関わっていくか」等、「深い学び」へとつなげる手立てとなることを改めて感じさせられる授業でした。

燕市立大関小学校 永野真衣先生

読み書きの力
 札幌市立桑園小学校五年生の公開授業は、資料を抜いた新聞記事を提示し、筆者の主張に最も合う資料がどれかを四つの中から選ぶ活動でした。授業の中で、担任が記者にインタビューをする動画が示されました。地元の新聞記事を使用すると、筆者が身近にいます。教科書の読み物教材と異なり、筆者の主張や資料選びの意図をすぐに確認し、自分たちの考えと照らし合わせることができる点がよいと感じました。授業の終末部では、集めた資料の中からSDGsポスターの主張に最も合う資料を選びました。選んだ理由をはっきりと述べることができ、学びが生かされていました。
 単元を通して新聞活用をすることで、子どもたちの読みや書きの学習が深まることを再認識できました。

新発田市立御免町小学校 星野敬子先生

人の思いや生き方を学ぶ

 パネルディスカッションを拝聴すると大会スローガン「新しい学びを創るNIE」につながるヒントがたくさんありました。パネリストのお一人である田中賢介氏は、プロ野球選手時代は、「どのように話したら真意を汲み取ってもらえるか」と考えながら取材を受けたそうです。引退後に新聞のコラムを担当するようになり、「どのように書いたら、読み手に自分の思いが伝わるか」を大切にして文章を書いているとのことでした。
 田中氏の発言からも、記事に取り上げられた人物の行いや発言から、思いや生き方を推し量り、そこから多くを学ぶことができます。新聞は「人の思いや生き方を学ぶ絶好の教材である」ことを強く実感しました。