11月21日、聖籠町立蓮野小学校(内山谷寿夫校長)で、NIE研究発表会が開催されました。研究主題は、「主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善 ~学びの流れを見通して単元をデザインする~」です。NIE担当は、研究主任の髙橋亜由美教諭です。
それぞれの授業の指導は、3人の「新潟県NIEアドバイザー」が担当してくださいました。第1学年は村上市立神納小学校の小池満喜子校長が、第4学年は新発田市立加治川小学校の髙澤元教頭が、そして第5学年は新発田市立豊浦小学校の関慎太郎教頭が務めてくださいました。「新潟県NIEアドバイザー」とは、NIEの実践経験豊富な方の中で、日本新聞協会から認定された先生のことです。聖籠町教育委員会教育未来課の小林裕之課長や阿部香指導主事、聖籠町内外の先生方も加え、84名もの皆さんが参加してくださいました。
第1学年では、田村沙也香教諭による道徳科「ほかの国の人たちと」の授業が行われました。子どもたちは新聞に掲載された様々な国の料理の写真をもとに、その国の子どもと日本の子どもに分かれて役割演技を行い、料理について話し合いました。子どもは、日本とは違った料理や考え方に触れることにより、ほかの国の人々や文化に親しもうと関心を高めていきました。
指導者である小池校長は、道徳を教科横断的な単元構想に組み込んだ点を評価しました。そして、「本来新聞はそのまま使わせるべきだと思うが」と前置きした上で、子どもたちが新聞記事を使いたくなるような学習環境を整えてやる必要があることから、1年生という発達段階を考慮すると、トリミングしたり、マーカーによって焦点化したりして、読みやすく配慮する必要があると、田村教諭の巧みな配慮を評価しました。
第4学年では、藤井武史教諭による総合的な学習の時間「笑顔を届けよう!服のチカラプロジェクト」の授業が行われました。まず、「服のチカラプロジェクト」で取り組んできた自分たちの活動を振り返らせました。実際に現地に服を届けているスライドや、難民が1億人以上もいるという新聞記事を提示することで、「自分たちが集めた服の数では足りないのではないか」という思いが子どもたちに芽生えました。「これから自分たちはどうすればいいのか?」という話し合い活動を通して、子どもたちは取組を一過性のもので終わらせてはいけないという思いをもち、そのために必要な活動を考えていきました。最後に、子どもたちは難民支援で活躍している身近な方の新聞記事に触発され、自分たちの取組や考え方をより確実なものにしていきました。
指導者である髙澤教頭は、ダイナミックな単元構成や、活用した新聞記事の妥当性を高く評価しました。
第5学年では、菅原樹教諭による社会科「未来をつくり出す工業生産 ~工業生産の今と未来~」の授業が行われました。中小工場の数が少なくなった場合、どのようなことが起きるかについて、既習事項を基に多角的な視点から自分の考えをまとめ、根拠をもって表現する力を養うことを目指した授業です。子どもたちはグループに分かれ、根拠を明確にして議論を闘わせ、自分の論を展開していきました。
指導者である関教頭は、子どもたちが、根拠となる資料を手元に置いて、自分の考えを自信をもって伝えていた点、そして、菅原教諭が、多角的な視点を持つための新聞記事を提示するタイミングがよく、子どもたちがしっかり記事を読み込んでいた点などを、評価しました。
研究主任の髙橋教諭から、参会者に対して、「児童アンケート」や「全国学力・学習状況調査」の集計結果を基にしながら、2年間の取組がとても分かりやすく説明されました。全ての学年の単元の指導計画に、新聞記事の活用に関する記載が同一の記号と同一の方法で位置付けられていたことからも分かるように、全職員が校長や研究主任を中心に、研究の枠組みや実践研究方法の統一を図りながら全校で研究に取り組んでいたことが、とてもよく伝わってくる研究発表会でした。
