俳句で表現した自分の生き方や夢を紹介し合う様子
グループの中で読みながら渡し合った応援カード等
全体会での研究主任からの研究の概要説明

 12月15日、新潟市立大形中学校(後野孝仁校長)で、NIE研究発表会が開催されました。研究主題は、「新聞を通して『対話力』『文章力』を鍛え、社会で活躍するための力を身に付ける OGATAStyle NIE実践」です。NIE担当は、研究主任の鈴木昌子教諭です。

 指導は、新潟日報社読者局未来読者推進室の山田孝夫室長と、「新潟県NIEアドバイザー」の古井丸裕三校長(新潟市立曽根小学校)にお願いいたしました。「新潟県NIEアドバイザー」とは、NIEの実践経験豊富な方の中で、日本新聞協会から認定された先生のことです。

 当日は、お二人の指導者をはじめ、小学校、中学校だけでなく、地区コミュニティ協議会、同窓会、子ども見守りボランティア、大学、PTA等、様々な立場から約30名の外部の方が参加してくださいました。

 大形中学校研究発表会における提案授業の大きな特徴は、「特定の学級だけの提案授業ではない」という点です。総合的な学習の時間における単元「新聞を通して、自分の生き方を考えよう」を、鈴木研究主任を中心とした研究部で計画して指導案を作成し、全教室で同一の授業を行っているのです。縦割りで編成されたグループが、10以上の各教室に数グループずつ入り、その教室の教員の指導のもとで授業が進みました。

 生徒は、これまでの新聞一斉読みの中で、「夢探し」として、目的をもって記事を読み情報を集めてきました。それらをもとにして、前時までに自分の生き方や夢を俳句に表し、本時で持ち寄りました。各グループでは、3年生がファシリテーターとなって、「哲学対話」の手法を用いて話し合いが進みます。自分の夢や生き方を表した俳句を紹介し合い、自分の思いを語ったり、人の話を聞いたりしながら、自分の生き方を見つめ直すことを目指した授業でした。終末では、「応援カード」を用いて、お互いの夢を応援し合い、「夢に向かって希望を胸に未来を切り拓くために必要なことは何か」をグループごとに1つにまとめて発表させたり提出させたりしていました。

 全体会では、鈴木研究主任から、この2年間の実践の紹介とともに、本時の振り返りが、生徒の具体的な記述を基に、参会者に分かりやすく説明されました。

 指導者である山田室長は、新聞の活用には様々な方法があると思うが、「夢探し」に活用してもらえたことはとてもありがたいことだし、斬新な取組であると評価しました。そして、紙の新聞で視点を探し、デジタルの新聞でその視点の深掘りを進めてほしいと、今後の学習の進め方を示唆しました。

 古井丸校長は、大形中学校が目標(目指す生徒の姿)達成の手立てとして用意した7つのアクションが、生徒の実態を踏まえた的確なものであったと指摘した後、本時においてファシリテーターを務めた3年生の活躍、他者理解・自己理解に非常に効果のあった「応援カード」の活用等、多岐にわたって評価しました。その上で、全ての教室で、全ての職員が、全ての生徒を対象に実施していた本日の提案は、NIEの恩恵を、全ての生徒と全ての職員が受け取っている実践だったと称賛しました。