新聞から気になる記事を選んでグループ内で紹介
いくつかの新聞社の「ブラックフライデー」に関する記事をもとに検討
授業後の協議会の様子

 12月7日(日)、県立新潟翠江高等学校(吉川保校長)で、NIEまとめの校内授業研修が実施されました。研究主題は、「新聞を活用した協働的な学び ~新聞を活用した探究活動とコミュニケーション能力の育成~」です。NIE担当は、この度の授業者でもある園田健太郎教諭です。

 指導者は、押木和子教諭(県立三条高等学校)と早川勝志教諭(県立新潟南高等学校)で、お二人とも「新潟県NIEアドバイザー」です。「新潟県NIEアドバイザー」とは、NIEの実践経験豊富な方の中で、日本新聞協会から認定された先生のことです。押木教諭は新潟翠江高校の学校担当アドバイザーであり、早川勝志教諭は昨年度まで新潟翠江高校の校長でいらっしゃいました。

 新潟県NIE推進協議会が発足して30年以上が経ちましたが、県内初の通信制課程でのNIEの提案授業です。全国でもあまり例を見ない提案です。日曜日のスクーリング(通信制高校等で、直接指導を受けたり、他の生徒と交流したりする対面授業)にあわせて実施した「公共」の授業でした。

 初めて会う生徒もいるため、アイスブレイクとして、一日分の新聞から興味・関心をもった記事を選択し、なぜその記事を選んだかの理由なども添えて、グループ内で紹介し合いました。

 その後、「キャッシュレス決済」にはどのようなものがあるのか、その「キャッシュレス決済」が広まっている背景や消費行動に与える影響について考えさせたり、「ブラックフライデー」における過剰消費による影響について考えさせたり、「キャッシュレス決済」と「現金決済」のメリットとデメリットを考えさせたりすることで、日常生活における消費行動を振り返らせるという授業でした。

 授業後の振り返りで、ある生徒が「もっと深掘り(意見交流)したかった」と発言したり、授業終了後に、本時の授業での自己の考え方を伝えに教師のもとに行ったりするなど、「学ぶ意欲」を巧みに引き出した授業でした。

 指導者の押木教諭は、いくつかの新聞記事を関連付けて本時が組み立てられていた点や、キャッシュレス決済に焦点化して自分の生活とのつながりを明確にさせた点等を含め、「これこそ公共の学びだ」と本時の取組を高く評価しました。そして、「通信制課程のレポートに、新聞を読む機会を設定しておくと、学校としての学びの流れができてくる。」と取組の方向性を示唆しました。

 もう一人の指導者の早川教諭は、コミュニケーションに課題をもつ生徒もいるので、課題克服のための公共のスクーリングと考えた際、新聞記事を基にして「話すことができた」「聞くことができた」という経験は、とても意味のある取組だったと評価しました。

 通信制の高等学校における、県内初の提案授業でした。来年度の、研究発表会が楽しみになりました。