映画「ルノワール」のポスタービジュアル=(c)2025「RENOIR」製作委員会/International Partners

 カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを競うコンペティション部門に早川千絵監督(48)の新作「ルノワール」が正式出品された。開志専門職大(新潟市中央区)教授を務める早川監督に、新作にまつわる思いや、これまでの歩み、新潟との縁について話を聞いた。

-カンヌ国際映画祭では惜しくも入賞を逃しましたが、上映後に大きな拍手が上がりました。映画祭で印象に残ったことはなんですか。

カンヌ国際映画祭で手を振る「ルノワール」の早川千絵監督(右から3人目)と出演した鈴木唯(中央)、石田ひかり(右から2人目)、リリー・フランキー(左から2人目)ら=2025年5月(C)Kazuko WAKAYAMA

 「上映後に劇場から出た所で手を振るのですが、青空が広がり、レッドカーペットが鮮やかに見えて、その間に祝福してくれる人たちがたくさんいて、ものすごくいい景色でした。キャスト3人と一緒に眺めた時、とても気持ちが良かった。主演の鈴木唯ちゃんが『すごい達成感』と言っていて、その言葉とともに幸せでした」...

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