新潟県庁
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 花角英世知事は18日、2026年度県当初予算案を発表した。一般会計の総額は1兆1698億円で、25年度当初に比べ937億円(7・4%)減。26年度は借換債の計上を特別会計に移し、より実態に即した方法に改めたことで減額となった。同様の方法で25年度当初予算額と比べると241億円(2・1%)増となる。「物価高対策」と「強い経済」を成長戦略の2本柱に据え、国内外の人や企業に新潟県が選ばれるための施策を展開する。

 国の予算編成に合わせ、25年度2月補正予算案と一体で編成し、合計すると1兆2667億円(前年度比3・4%増)。このうち重点支援地方交付金の配分額(経済対策分)は、24年度の69億円から191億円に大幅拡充された。

 柱は「物価高への対応や持続可能な社会の実現」「強い経済を実現する成長投資」の二つ。それぞれに「若者や女性に選ばれ、子育てに優しい新潟の実現」「人や企業、投資を呼び込む成長戦略の展開」などの重要テーマを盛り込んだ。

 東京電力柏崎刈羽原発関連では、東電が10年程度で1千億円を拠出するとしている資金を活用し、防災安全対策を進める。26年度は100億円の基金を設置し、事故対策として避難路の除雪体制強化に7億6500万円を計上した。

 歳入は、収入増に伴う個人県民税や法人事業税の増加を見込み、県税収入や譲与税などについて25年度当初比で194億円(6・5%)増の3180億円とした。歳出では人件費が25年度当初比213億円(9・5%)増の2456億円。

 花角知事は会見で「バランス良く予算を組んだ。困っている人を手助けし、挑戦しようとする人を後押しする活力のある新潟をつくっていきたい」と述べた。

 県病院局は18日、26年度病院事業会計の予算を発表し、45億円の赤字となる見通しを発表した。退職者の増加や薬品費などの経費の増加が主な理由とした。

◆「未曽有の額」の交付金で「守り」と「攻め」両立

 花角英世知事が18日に発表した県の2026年度一般会計当初予算案は、物価高など「足元の課題」への対応と、企業の挑戦を後押しする将来への「成長投資」の2本柱を打ち出した。財政難の中「守り」と「攻め」を両立させた予算が組めたのは190億円を超える国からの交付金の存在だ。「未曽有の額」(財政課)の交付金を生かし新潟県経済の活力を生み出せるか。3選出馬を表明した花角知事の手腕が問われる。

 「ちまちまでなく、より効果を出せる思い切った数字にできた」。18日の予算案の発表で花角知事は例年にない自信を見せた。目玉となる新規事業の原資に自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を存分に活用したことを強調した。

 予算額が「30億円(県版Go To トラベル&Go To Eat)」「10億円(中小企業の成長基盤整備支援)」など久々の大規模事業は交付金を頼りにした。高市政権が昨年まとめた経済対策の一環で、新潟県には24年比2・8倍の約190億円が交付された。

 編成作業で花角知事は人口減少対策にこだわりを見せ、県が運営する会員制婚活マッチングシステムの20、30代の入会登録料無料化を指示。子育て環境整備の予算は拡充が目立つ。知事は「交付金できめ細かな目配りができた」と語った。

 県幹部は「財源が厳しい中、これまでは足元の課題への対応が優先されてきたが、今回は普段は手の届かない挑戦的なことができた」と明かす。

 ただ、使い勝手のよい交付金が今後も同様の規模で続くかは不明だ。「1年限りの事業では県内経済の底上げは難しい」との見方もある。交付金という「慈雨」の恩恵を、県民の活力向上や県経済の成長にどう結びつけるか。取り組みの実効性が焦点となる。

◆「100億宣言」中小企業支援を歓迎、多角的視点で評価求める声も

 県は18日に発表した2026年度の当初予算案で、「強い新潟」の実現を掲げ、目玉として賃上げや高付加価値化を目指す中小企業の支援策を盛り込んだ。中小による年間売上高100億円達成をサポートする国の「100億宣言」事業の認定企業に対しては重点的に後押しする。関係者からは歓迎の声が上がる一方、数字だけでなく多角的な視点で評価してほしいとの意見も聞かれた。

 総務省がまとめた25年の人口移動報告によると、本県の転出超過数は全国で4番目に多く、就職を機に県外に出る若い世代が多いとみられる。職場の魅力アップは喫緊の課題だ。21年の国の調査では県内の中小企業数は6万7093社で、県内企業の99%以上。企業の成長意欲を高めることで地域全体の活性化も狙う。

 新発田市の月岡温泉で三つのホテルを運営する「ホテル泉慶」は、...

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